“しへん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
紙片41.4%
四辺34.5%
詩篇13.8%
四邊3.4%
帋片3.4%
至變3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし想像はどこまでも想像で新聞は横から見ても縦から見ても紙片しへんに過ぎぬ。だからいくら戦争が続いても戦争らしい感じがしない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たとひ此の弾丸山を砕いてにするまでも、四辺しへんの光景単身みひとつてきがたきを知らぬでないから、桂木は呼吸いきを引いて、力なく媼の胸にひそんだが。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あるいは東、あるいは西といえば如何いかにも両者の間に懸隔けんかくあるようにきこゆる。文章家はかくの如き文字を用いて相容あいいれざるを示す。かの有名な詩篇しへんの内にも西と東のへだたる如く云々うんぬんとある。
東西相触れて (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのしたうたがひもなき大洞窟おほほらあなで、逆浪ぎやくらう怒濤どたう隙間すきまもなく四邊しへん打寄うちよするにかゝはらず、洞窟ほらあななかきわめて靜謐せいひつ樣子やうすで、吾等われらあゆたびに、その跫音あしおとはボーン、ボーン、と物凄ものすごひゞわたつた。
ひろさは直徑さしわたし三十ヤードぐらいふかさはわずか一じやうにもらぬほどだから、鐵檻車てつおりのくるま屋根やねのぼつたら、あるひあなそと飛出とびだこと出來できるやうだが、まへにもつたやう擂盆すりばちかたちをなしたあな四邊しへんじつ細微さいびなるすな
来賓にねがふ所は興寄之古調、唐律あるいは国風、各その長所に従ひ一、二首帋片しへんに留めらるべし、いたずらに風景に孤美ママして隻字もなく帰らるゝことあるべからず
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ゆゑ彌子びしおこなひいまはじめかはらざるに、まへにはけんとせられて、のちにはつみものは、(一〇九)愛憎あいぞう至變しへんなり