“かみき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
噛切50.0%
上木10.0%
紙切10.0%
紙片10.0%
紙裂10.0%
髪剪10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでは私が御介錯ごかいしゃく、舌を噛切かみきってあげましょう。それと一所に、きものたばねを——この私の胸を一思いに。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これを聞いた家中かちゅうの者は、斉広なりひろ宏量こうりょうなのに驚いた。しかし御用部屋ごようべやの山崎勘左衛門かんざえもん御納戸掛おなんどがかりの岩田内蔵之助くらのすけ御勝手方おかってがた上木かみき九郎右衛門——この三人の役人だけは思わず、まゆをひそめたのである。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
みね引出ひきだしたるはたゞまいのこりは十八あるべきはづを、いかにしけんたばのまゝえずとてそこをかへしてふるへども甲斐かひなし、あやしきは落散おちちり紙切かみきれにいつしたゝめしかうけとりつう
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そして、この紙片かみきれの奴に似ているのを探した。随分手間取った。確か、その時君が飯屋へ行くことを勧めたっけ。俺はそれを断って一生懸命考えた。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
するとまた、まずい須磨子ときこえるといった。けれど「まずくっても好い」と小さな紙裂かみきれへ書いて出したのが、大きな名となって残るようになった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
三年前から女の髪剪かみきりがはやっていたが、最初は、黒い歯の鋭い虫がみきるのだといって下町の女たちは、極度に恐れて、呪文じゅもんを書いた紙をしごいて、髪に結びつけたりしていたが、そのうちに
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)