“上木”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょうぼく60.0%
うえき10.0%
うわき10.0%
かみき10.0%
しやうぼく10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その中には、篤胤大人畢生ひっせいの大著でまだ世に出なかった『古史伝』三十一巻の上木じょうぼくを思い立つ座光寺の北原稲雄きたはらいなおのような人がある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
永禄十年二月には、滝川一益かずますの軍にいて、北国を討伐し、上木うえき、持福、木股きまたなどの城を降し。——十一年には、池田勝政の池田城を陥しいれ、十二年には、丹波へ討入っている。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは木樵きこりではありません。あたりまえのお百姓が農閑を見はからって、自分の持山か、或いは人の持山から上木うわきを買取って、それをこなしているだけのものです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これを聞いた家中かちゅうの者は、斉広なりひろ宏量こうりょうなのに驚いた。しかし御用部屋ごようべやの山崎勘左衛門かんざえもん御納戸掛おなんどがかりの岩田内蔵之助くらのすけ御勝手方おかってがた上木かみき九郎右衛門——この三人の役人だけは思わず、まゆをひそめたのである。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
此手紙は「ほらせ候積に御座候」と云つてあるとほり、上木しやうぼくに決意した当時書かれたもので、小原の序もまだ出来てはゐなかつたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)