“かみし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
噛締45.5%
噛占18.2%
咬定9.1%
咬緊9.1%
噛切9.1%
噛緊9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
セグリ上げて来る涙を奥歯で噛締かみしめた。静かに弟の両腕を引離して寝台の上に座り直した。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
噛占かみしめて益々味の出るものよりは舌の先きでめて直ぐ賞翫しょうがんされるものが読者に受ける。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
流石覚悟を極めたりしも又今更におもはれて、一期の大事死生の岐路ちまたと八万四千の身の毛よだたせ牙咬定かみしめてまなこみはり、いざ其時はと手にして来し六分のみの柄忘るゝばかり引握むでぞ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
宮はたまりかねてひそかにハンカチイフを咬緊かみしめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
老婦人は奥歯を噛切かみしめ、御気色みけしき荒く
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして手巾に(もよ)と紅糸あかいと端縫はしぬいをしたのが、苦痛にゆがめて噛緊かみしめる唇が映って透くようで、涙は雪が溶けるように、頸脚えりあしへまで落ちたと言います。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)