“かみきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
髪切25.0%
噛切12.5%
天牛虫12.5%
天牛蟲12.5%
紙切12.5%
紙小刀12.5%
12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことに女の旅は厳重をきわめたもので、髪の長いものはもとより、そうでないものもあま比丘尼びくに髪切かみきり少女おとめなどと通行者の風俗を区別し、乳まで探って真偽を確かめたほどの時代だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ひろひ念頃ねんごろとぶらたくぞんじたづね候と申ゆゑ數多あまたの骨の中にていかでか是が親の骨と分かるべきやと申候に彦三郎しぼり骨へかける時は他人たにんの骨へは染込しみこむ事なく父の骨なれば染込候ゆゑゆび噛切かみきり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
掛て見候とて噛切かみきりたる指を見せしにつき私しどもゝ其孝心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この迂愚おろかなる旅人が旅宿インを逭れて五日といふ旦暮あけくれは、これなる(かれは首から下げたズダ袋をはたくしぐさをしてみせる)山蟻、あれなる黄蜂の巣、さては天牛虫かみきり、油虫、これに酢模すかんぽ、山独活をそへ
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
たまたま風景絶佳、草の中から蟲が啼きはじめる、巖の上に天牛蟲かみきりがゐる。……人はめいめい、自分らの到着驛をかんがへる。機關車の方で聲がする、聲がもつれる、風が吹く。
(旧字旧仮名) / 三好達治(著)
こちらでは小さな紙切かみきりナイフが、ばねじかけのかへるにふざけてゐます。石盤の上では、石筆がころ/\走りまはつてゐます。
一本足の兵隊 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「オヤ。紙小刀かみきりが無い。さやはここに在るんだが……お前知らんか……」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かみきりに至っては微罪中の微罪だが、かつてどれほど多くの人が、くりくり坊主にされたため、彼の社会から彼の大事な一生を蹂躙されたかしれん。
頭髪の故事 (新字新仮名) / 魯迅(著)