二銭銅貨にせんどうか
「あの泥坊が羨しい」二人の間にこんな言葉が交される程、其頃は窮迫していた。 場末の貧弱な下駄屋の二階の、ただ一間しかない六畳に、一閑張りの破れ机を二つ並べて、松村武とこの私とが、変な空想ばかり逞しゅうして、ゴロゴロしていた頃のお話である。 …
作品に特徴的な語句
あやぶ ゆだ はん 紙片かみき かたづ みた あい なやま おろか しん こまか かみ かわ すべ ばこ しつ 彼奴きゃつ 心安こころやす かな やみ はた ため うたがい から 空虚から うらやま かんがえ ばか しょう 閉口へこ 一寸ちょっと あずか 丼鉢どんぶりばち 乃至ないし これ しま あらかじ たがい 些細ささい ひと 仔細しさい 代物しろもの もっ 仮令たとい 何某なにがし しか 使途つかいみち 便たよ そば 僥倖ぎょうこう まま もう その 其処そこ 其頃そのころ せい 前非ぜんぴ つと 勿論もちろん 口髭くちひげ 古袷ふるあわせ 可也かなり しか 吃驚びっくり 嗜好しこう ささや 四谷よつや はか 埃及エジプト 場末ばすえ ほか 夢現ゆめうつつ 夫々それぞれ 如何いか 威張いば ばあ とつ 容色きりょう 富籤とみくじ 富鬮とみくじ むし 工合ぐあい 帯鋸おびのこぎり さいわい かど まわ もてあそ 当嵌あては 心持こころもち
題名が同じ作品
二銭銅貨 (新字新仮名)黒島伝治 (著)