“嗜好”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しこう82.5%
このみ7.1%
しかう4.8%
すき1.6%
かうし0.8%
この0.8%
0.8%
すきこの0.8%
たしなみ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕はあなたがあんなものに嗜好しこうを持っているなんて、一度も聞いたことがない。あなたはどうして、その七宝の花瓶を買ったんです。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
武家の堅苦しい娘などよりも、砕けた市井の女のほうが、わしの嗜好このみに一致する。水戸様石置き場の空屋敷に出入りを
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なほ天堂に於ける天女エンゼルにして、もしその面貌醜ならむか、濁世だくせい悪魔サタン花顔雪膚くわがんせつぷに化したるものに、嗜好しかうの及ばざるや、はなはだ遠し。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
息子むすこ嗜好すき色々いろ/\もの御馳走ごちさうして「さて、せがれや、おまへ此頃このごろはどうしておいでだえ。矢張やはりわるしわざあらためませんのかえ。」となみだながらにいさめかけると
それ故食堂に入つて、中に居る人、其注文の品、そんなものを観て居ると、本当に種々いろ/\で、平素の生活状態や、趣味嗜好かうしといふやうなものが、さながらの縮図となつて展開されて来る。
買ひものをする女 (新字旧仮名) / 三宅やす子(著)
男子なんしにも、六八ずゐ煬帝やうだい臣家しんか六九麻叔謀ましゆくぼうといふもの、小児せうにの肉を嗜好このみて、ひそかに民の小児をぬすみ、これをしてくらひしも七〇あなれど、是は浅ましき七一えびす心にて、あるじのかたり給ふとはことなり。
先天的のビフテキ党だ、ちょうど僕のようなんだ。女はいも嗜好きなんていうのはうそサ!
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
櫻木大佐さくらぎたいさ今年ことし三十三さい海軍大佐かいぐんたいさであるが、日本人につぽんじんにはめづらしいまでかゝる遊戯スポルト嗜好すきこのんで、また仲々なか/\達者たつしやである、むかし投手ピツチ大撰手チヤンピオンとして、雄名ゆうめいその仲間なかまにはかくれもなかつたさう
僕の画道における嗜好たしなみは、それから以後今日こんにちに至るまで、ついぞ画筆えふでを握った試しがないのでも分るのだから、赤や緑の単純な刺戟しげきが、一通り彼女の眼に映ってしまえば
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)