“たしなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
71.0%
9.7%
省愼6.5%
節制3.2%
化粧3.2%
嗜好3.2%
用意3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平生ふだんよりは夜が更けていたんだから、早速おつとめ衣裳いしょうを脱いでちゃんとして、こりゃ女のたしなみだ、姉さんなんぞも遣るだろうじゃないか。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
フト口をきか何か、寝顔はというたしなみで、額から顔へ、ぺらりと真白まっしろ手巾ハンケチを懸けなすった……目鼻も口も何にも無い、のっぺらぽう……え、百物語に魔がすって聞いたが
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不時ふじ大騷動だいさうどうに、おどろ目醒めさめたる春枝夫人はるえふじんは、かゝる焦眉せうびきふにもその省愼たしなみわすれず、寢衣しんい常服じやうふく着更きかへてつために、いまやうや此處こゝまでたのである。るよりわたくし
ばあさんはそは/\としつゝせまいのでたがひ衝突つきあたつてはさわぎながら、自分じぶんいへときのやうな節制たしなみすこしもたもたれてなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くぬぎなら雜木ざふきすべてが節制たしなみうしなつてことごと裏葉うらは肌膚はだかくすきがなくざあつとかれてたゞさわいだ。よるさびしさにすべてのこずゑあひ耳語さゝやきつゝ餘計よけいさわいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その時、顔や容姿かたち化粧たしなみをするたびに、必ず心の化粧もしてほしいのです。真の化粧とは、心の化粧です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
僕の画道における嗜好たしなみは、それから以後今日こんにちに至るまで、ついぞ画筆えふでを握った試しがないのでも分るのだから、赤や緑の単純な刺戟しげきが、一通り彼女の眼に映ってしまえば
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昌平しょうへいかせてもじきに出来るだろうが、今日一日のことだからと有助を駈けさせて買いにつかわし、大小はもとより用意たしなみがありますから之をして、翌朝よくあさの五つ時に虎の門のお上屋敷かみやしきへまいりますと
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)