“たしな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タシナ
語句割合
65.3%
23.6%
6.7%
1.9%
0.6%
惚苦0.3%
省愼0.3%
患惚0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、あかたすきで、色白な娘が運んだ、煎茶せんちゃ煙草盆たばこぼんを袖に控えて、さまでたしなむともない、その、伊達だてに持った煙草入を手にした時、——
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とお母さんがたしなめた。芳夫さんはさと惣領息子そうりょうむすこだ。学生時代から家へはくやって来るので、殊に遠慮のない間柄になっている。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「そちには何もわからぬとみゆる。ははは、なまもの知りより、あどけのうてかえってよい。したが、そちのたしなみとするは何ぞ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行末怎うなるのか! といふ眞摯な考への横合から、富江のはしやいだ笑聲が響く。つと、信吾の生白い顏が頭に浮ぶ、——智惠子は嚴肅な顏をして、屹と自分をたしなめる樣に唇を噛んだ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「貴郎方は何者です。断りもなく他人の家へ入って来て失礼ではありませんか」彼女は厳しい言葉でたしなめるようにいった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
かく惚苦たしなめたまひし時に、稽首のみ白さく、「は今よ以後のち、汝が命の晝夜よるひる守護人まもりびととなりて仕へまつらむ」とまをしき。
しほたま一八を出して溺らし、もしそれ愁へまをさば、しほたまを出していかし、かく惚苦たしなめたまへ
省愼たしなみ置たるとはこれまたいつはりなるべし大方皆ぬすみ取たる物ならん茲な大盜人おほぬすびとめと樣々に惡口あくこうなしければ元より武道ぶだうみがく大橋文右衞門賊名ぞくみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はらされよと云つゝかね省愼たしなおきたる具足櫃ぐそくびつならびに差替さしかへの大小までも取出し此通り國難まさかの時の用意も致し居る拙者なり他人の物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ももりたまはく、「いまし、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆるうつしき青人草一九の、き瀬に落ちて、患惚たしなまむ時に助けてよ」とのりたまひて、意富加牟豆美おほかむづみの命といふ名を賜ひき。
ここに天皇それあだをみななることを知らしめして、恆に長眼を經しめ、またひもせずて、たしなめたまひき。かれその大碓おほうすの命、兄比賣えひめに娶ひて生みませる子、押黒おしくろの兄日子の王。
黙れ、はざま! 貴様の頭脳あたまは銭勘定ばかりしてゐるので、人の言ふ事が解らんと見えるな。誰がその話に可然しかるべき挨拶を為ろと言つた。友人に対する挙動が無礼だからたしなめと言つたのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
氷の如く冷徹ひえわたりたる手をわりなくふところに差入れらるるに驚き、咄嗟あなやと見向かんとすれば、後よりしかかかへられたれど、夫の常にたしなめる香水のかをりは隠るべくもあらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)