“たし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タシ
語句割合
58.3%
24.4%
5.2%
5.0%
1.6%
補助1.0%
0.8%
多足0.5%
補足0.5%
0.5%
他志0.3%
利益0.3%
多子0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
資料0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紀州の産であることはたしからしい。ともかくも将軍吉宗の直筆だという墨付と短刀を証拠にして、——自分は吉宗公の嫡出子である。
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「誰かの細工だらうよ、だが、長崎屋でないことだけはたしかさ、自分の店の名の入つた藥袋へ金を入れて人にやるのは變ぢやないか」
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「筆で飯を喰ふ考は無い? ふゥむ、それぢやア汝は一生涯新聞配達をする気か。跣足はだしで号外を飛んで売つた処で一夜の豪遊のたしにならぬヮ。」
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
出席婦人会員のたしなみの為ということになって居りますが、恐らく阿夜子夫人の異常な嫉妬のためだろうと言われて居りました。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
始終蔭言かげごとばかり言っていた女房かみさん達、たまりかねて、ちと滝太郎をたしなめるようにと、ってから帰る母親に告げた事がある。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(何処から来て何処へ行くのか知らないが、路銀の補助たしに売つて歩くといふ安筆を、松太郎も勧められて一本買つた。)——その二人はう発つて了つて、きたなへや
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
以て八山やつやまなる旅館へ申遣しけるおもぶきは此度天一坊樣御下向ごげかうついては重役の者一とう相伺あひうかゞひ申たきこそ有ば明日五ツどき伊豆守御役宅へ御出あらせられたしとの口上こうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なんの多足たしになるだらうか! その容貌に、その肉体に、その魂に、全く特別の用はないばかりか、蕗子が叔父の思ひものである点からも、別れることがむしろ私に有利の事情を生むばかりだ。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
野郎が有難い事を云ったってかんかん虫手合いは鼾をかくばかりで全然からっきし補足たしになら無えってんで、工場長開けた事を思いつきやがった、女ならよかろうてんだとよ。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
洋燈ランプけないで、くらへやて切つた儘二人ふたりすはつてゐた。三千代は下女も留守だと云つた。自分も先刻さつき其所そこ迄用たして、今帰つて夕食ゆふめしを済ました許りだと云つた。やがて平岡の話がた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すなわちその思想しそうは純然たる古流こりゅうにして、三河武士みかわぶし一片の精神せいしん、ただ徳川累世るいせい恩義おんぎむくゆるの外他志たしあることなし。
暑さに苦しんで——これが何と夢ではあるまいか? この薄福者ふしあわせものの命を断ったそればかりで、こうも苦しむことか? この人殺の外に、何ぞおれは戦争の利益たしになった事があるか?
知るべし、彼が教育の道多子たしなし、ただ己が其骨頭、大本領をべて、以てこれを他に及ぼすのみなるを。彼れ「松下村塾の記」を作りて曰く
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ウッドの『博物画譜』にいわく、パッフ・アッダーに咬まれたのに利く薬たしかに知れず。南アフリカの土人は活きた鶏の胸を開いて心動いまだまぬところをきずに当てると。
たしか御承知でゐらつしやいましたらう。ぜんに宅に居りました向坂さぎさかと申すの、あれが静岡へ参つて、今ではちよつさかんに遣つてをるので御座います。それで、あの方は静岡の参事官でおいでなのでした。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これは松山が、白布しろぬのの張りかえのときに「痛いッ」と叫んだところのものであろうが、その傷はいつ頃からこうして出来ていたものか、たしかでなかった。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
または棕櫚しゅろの幹、噴水盤の頭蓋あたまなどによじ登り、「花と美人の会合ランデブ」を、せめてその眼にて瞥見し、もっぱら後学のたしにしようと、まだ明けやらぬ五時ごろからひしめき集う大衆無慮数万。
それがいささかなりとも、現世げんせ方々かたがた研究けんきゅう資料たしともなればとねんじてります。何卒どうぞあまり過分かぶん期待のぞみをかけず、お心安こころやすくおききりくださいますように……。