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度
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たし
叶ふまじき由申し聞け候所、
一度は泣く泣く帰宅致し候へども、翌八日、
再私宅へ参り、「一生の恩に着申す可く候へば、
何卒御検脈下され
度」
以て
八山なる旅館へ申遣しける
趣きは此度天一坊樣
御下向に
付ては重役の者一
統相伺ひ申
度儀こそ有ば明日五ツ
時伊豆守御役宅へ御出あらせられ
度との
口上を
伯母が
高慢がほはつく/″\と
嫌やなれども、あの
高慢にあの
温順なる
身にて
事なく
仕へんとする
氣苦勞を
思ひやれば、せめては
傍近くに
心ぞへをも
爲し、
慰めにも
爲りてやり
度と
蒙り母の
看病仕つり
度と涙ながらに申けるを大岡殿聞れ汝が申
條道理には聞ゆれ
共又胡亂なる處あり
其の
譯は
其方遙々利兵衞を
頼みに思ひて來りしに
渠約束を
討取幸之進殿に
手向進らせ
度一ツには
行末永き浪人の身の上母公の養育にもさし
支へるは
眼前なり且敵を