“見度”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みた60.0%
みて15.0%
みわた10.0%
みたい5.0%
みたく5.0%
みたし5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近頃日本に於ける一部の所謂いわゆる推理小説より、文学としてはより高等な段階にあるものではないかと、いささか自負しても見度みたくなるのである。
「武家の髷節なんざ、くさつたたけのこほども有難くねえが、一と晩にそいつを三つも四つも切つて落す手際が憎いぢやないか。縛る縛らないは別として、俺はその惡戯いたづら者のつら見度みてえよ」
見つめらるる人は、座客ざかくのなめなるを厭ひてか、しば眉根まゆねしわ寄せたりしが、とばかり思ひかへししにや、わずかえみを帯びて、一座を見度みわたしぬ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ハイ、でもネかあちやん、少ウし顔出して、水ん中の草が見度みたいんだもの、だからソーット少しだけ顔出してませうネ、かあちやん、草んなかに、さかながはいつてるだらうか?
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
三四郎はう思つて立つてゐた。戸をけて顔が見度みたくもあるし、見て失望するのがいやでもある。自分のあたまなかに往来する女の顔は、どうも野々宮宗八さんに似てゐないのだから困る。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
(中略)なんぢがあふて見度みたしと思ふ女のねんごろにする男のふところの中に入れば、その男の魂ぬけいで、汝かりに其男に入れかはりて、相手の女を自由にする事、又なき楽しみにあらずや
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)