“茸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きのこ73.8%
たけ13.1%
だけ9.5%
たけのこ2.4%
じよう1.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブランデスは、そういった臭いきのこが近くに生えているような氣がして、二三度身體のむきを變えたが、でもやっぱり起きあがろうとはしなかった。
女学生たちのゆう飯の膳に出たものは、山女やまめの塩焼と豆腐のつゆとひらとで、平の椀には湯葉と油揚あぶらげきのことが盛ってあった。
山椒魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
だの、くさだのだと、かぜくとうごくんだけれど、きのこだから、あの、きのこだからゆつさりとしもしませぬ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寝ころんでいるのがきてくると、こんどは乾草の原っぱへ出かけたり、森へきのこをとりに行ったり、でなければ百姓が投網とあみをするのを見物する。
富籤 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
秋に山へ参ると松茸のほかに色々なきのこが出ていて面白うございましょうね」お登和嬢「ハイ、それこそ何十種何百種という位変った茸が出ていますれども
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
しずかな緑色みどりいろ世界せかいがあって、つちには、きれいな帽子ぼうしをかぶったたけがはえていますし、うえには
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
……籠に、あの、ばさばさ群った葉の中に、なまずのような、小鮒こぶなのような、頭のおおきたけがびちびち跳ねていそうなのが、温泉いでゆの町の方へずッと入った。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
町の反対側のはずれにある豆畠に出ているわたしには大砲もホコリたけがはじけたようにひびいた。
というのは其の連山のふところにはさまざまのたけが生えていて私の訪うのを待っていて呉れる。
茸をたずねる (新字新仮名) / 飯田蛇笏(著)
面白きは竹田がたけを作りし時、頼みし男仏頂面ぶつちやうづらをなしたるに、竹田「わが苦心を見給へ」とて、水にひたせし椎茸しひたけ大籠おほかごに一杯見せたれば、その男感歎してやみしと云ふ逸話なり。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
生垣いけがきの根にはひとむらの茗荷みょうがの力なくのびてる中に、茗荷だけの花が血の気少ない女の笑いに似て咲いてるのもいっそうさびしさをそえる。
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
笑いだけか何かのエキスを混ぜてあったんじゃないか、と僕は今でも考えているのですが、もしそうだとすれば、僕らはうまうまと陳さんのハメ手に引っかかったわけです。
ボロ家の春秋 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
わらだけなんて、そんなものを呑ませて、萬一間違ひがあつてはと、人の良い卯八がそつと菊次郎に耳打をしたんです」
まいだけはその形細き珊瑚さんごの枝に似たり。軸白くして薄紅うすべにの色さしたると、樺色かばいろなると、また黄なると、三ツ五ツはあらむ、芝茸はわれ取って捨てぬ。最も数多く獲たるは紅茸なり。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
虎之介は笑いだけを食ったようにダラシなく相好をくずして、
「武家の髷節なんざ、くさつたたけのこほども有難くねえが、一と晩にそいつを三つも四つも切つて落す手際が憎いぢやないか。縛る縛らないは別として、俺はその惡戯いたづら者のつら見度みてえよ」
「武家の髷節なんざ、くさったたけのこほども有難くねえが、一と晩にそいつを三つも四つも切って落す手際が憎いじゃないか。縛る縛らないは別として、俺はその悪戯いたずら者のつら見度みてえよ」
「神聖香薷散。注(鮑本注)云。程本作香茸。方中同。疑誤。今遵館本。按。(蘭軒按。)図経本草曰。香薷一作香葇。俗呼香葺。程本茸。即葺之訛。宋板書中。有作香茸者。其訛体亦従来已久。則改作薷者。妄断耳。」所謂宋板の書は宋板百川学海せんがくかい、又本草綱目引く所の食療本草で、皆じように作つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)