“きのこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キノコ
語句割合
40.5%
33.3%
24.8%
0.7%
0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブランデスは、そういった臭いきのこが近くに生えているような氣がして、二三度身體のむきを變えたが、でもやっぱり起きあがろうとはしなかった。
その小屋の隅に見なれないきのこの二つ三つ生えているのをお年が見つけて、あれは何だと蛇吉にたずねると、それは蛇を捕る薬であると彼は説明した。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女学生たちのゆう飯の膳に出たものは、山女やまめの塩焼と豆腐のつゆとひらとで、平の椀には湯葉と油揚あぶらげきのことが盛ってあった。
山椒魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
だの、くさだのだと、かぜくとうごくんだけれど、きのこだから、あの、きのこだからゆつさりとしもしませぬ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
談中——主なるものは、きのこで、かれが番組の茸をげて、比羅びらの、たこのとあのくたらを説いたのでも、ほぼ不断の態度が知れよう。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
但し最後に前論士は釈尊の終りに受けられた供養くようが豚肉であるという、何という間違まちがいであるか豚肉ではないきのこの一種である。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼は土塊どかいの下に馬鈴薯とは見えずしてむしろ醜怪な円屋根形まるやねがたの頭をもった、きのこのような形をした変なものを掘り出した。
先日午餐の時、きのこにそっくり真似た砂糖菓子が出た。死白色の柄や菌褶きんしゅう、半透明で黄灰色な菌傘は、事実、それ等の特性を示していた。
「おれのは漬物つけものだよ。お前のうちぢゃきのこの漬物なんか喰べないだらうから茶いろのを持って行った方がいゝやな。煮て食ふんだらうから。」
(新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その手と手を取交とりかわすには及ばずとも、そばにつきって、朝夕の話対手はなしあいてきのこの汁でごぜんを食べたり
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
墓地を出て両側のくぼみにきのこえていそうな日蔭ひかげの坂道にかかると、坂下から一幅いっぷくの冷たい風が吹き上げて来た。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかし公卿理想にしろ、武士の戦争目的にしろ、あんな大量の血をながして、こんなきのこちまたに見る気でなかったのはもとよりだろう。
……何にせよ、批判を明るみに出すためには使用しなければならない抽象的な語は、悉く自分の口の中で、腐つたきのこのやうにこなごなになつてしまふのでした。
春日遅々 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
そこの辻を、石川河原の方へ下がった所に、戦場が生んだ“にわいち”がこつねんときのこみたいに簇生ぞくせいしていた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
底についているきのこは熱によって僅かに褐色にした紙で出来、本物そっくりで、市場で見受けるような、小さな藁製の物に入っている。
つりをしてひとがおもしろさうだとさうおもつたりなんぞしたのが、此節このせつじやもうたゞへんきのこ
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このちいさなまどからふうがはりないぬしゝだの、奇躰きたいきのこだの、不思議ふしぎさるだの
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
二人は高札場の番屋へ寄つて、切られた髷を見せて貰ひました。淺ましくも竹笊たけざるへ、みにくきのこのやうに入れたのが、ざつと二十もあるでせう。