“ふき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フキ
語句割合
43.4%
不羈10.6%
10.6%
不覊10.1%
5.6%
不軌3.5%
3.0%
附記3.0%
2.5%
款冬2.0%
(他:11)5.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土手には田芹たぜりふきが満ちて、蒲公英たんぽぽはまだ盛りに、目に幻のあの白い小さな車が自動車の輪に競って飛んだ。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若草山でんだわらびや谷間で採ったふきやが、若い細君の手でおひたしやおつけの実にされて、食事を楽しませた。
遊動円木 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
ただ文学の世俗と競はず年歯とかかはらず不羈ふき自在にしてごうも他の束縛を受けざる処において独り自ら慰むるのみ。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
平時の荷抜き、喧嘩まぎれの掠奪、放火、暴行、私刑のやりくちなど、やはり不羈ふきの民たることは争えない。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度しわすのもの淋しい夜の事でしたが、ふきすさぶその晩の山おろしのうなるようなすごい音は、今に思出されます。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
あめらぬ、屋蔵やぐらふきくづち、はる物作もづくりも、根葉ねはからちけば
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
……なが話を結んだ左膳、片眉上げて大笑する。重荷の半ばをおろした心もちが、怪物左膳をいっそう不覊ふきにみせていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼の経綸けいりんは、彼の不覊ふきなる傲骨ごうこつと共に、寂寥せきりょうたる蕭寺しょうじの中に葬られたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
不釣合ふつりあいに太い着物のふきが、すわっていながら膝の前へ垂れているのが不自然であるが、それは間もなく忘れられた。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
阿古十郎は例の如くふきのすれ切った黒羽二重の素袷に、山のはいった茶献上の帯を尻下りに結び、掌で裸の胸をピシャピシャ叩きながら、
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
家へ帰った王給諌は上疏じょうそして王侍御が不軌ふきはかっているといって、元豊から剥ぎとった服と冕を証拠としてさし出した。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
大津皇子は天武天皇崩御の後、不軌ふきを謀ったのがあらわれて、朱鳥あかみとり元年十月三日死を賜わった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
奇麗きれいだねはとはなふきつゝへば、大卷おほまきさんよりなほいや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
髪をかういふ風にこんな嶋田しまだに結つてと、変てこな手つきして、奇麗だねあのはと鼻をふきつつ言へば、大巻さんよりなほいや
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最後さいご此新横穴このしんよこあなからの發見物はつけんぶつつひて、もつと注意ちういすべきてん附記ふきしてく。
その文中、瘠我慢やせがまんせつ関係かんけいするものあるを以て、ここに附記ふきす。
壁は荒壁で天井もなく、ふき降しの不細工な十坪内外の田舎造りではあったが、畳も敷き、雨戸も立てられ、ちょっと落ち着ける住居である。
長崎の鐘 (新字新仮名) / 永井隆(著)
新橋しんばし金春こんぱる屋敷に住んだ屋根ふきで、屋根屋三右衛門が通称である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
森の中には款冬ふきの濶葉が傘のように高い。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
款冬ふきせりたでねぎいちご薑荷しょうが独活うど、芋、百合、紫蘇しそ山椒さんしょ枸杞くこたぐい時に従つて皆厨房ちゅうぼうりょうとなすに足る。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
なにしろ道具だうぐい。』とはれたのでぼくおもはず噴飯ふきだし、
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「ハッハッハッハッ」と一坐が噴飯ふきだした。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
雨はねかへ欵冬ふきの葉を
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
「さうですか。それなら御安心下さいまし。あなたが棄てろと仰やいましたから、あの榎の下の五味溜みために棄てたには相違ございません。しかしあの綺麗な肉を五味の中に棄てるのが惜しかつたので、欵冬ふきの葉を沢山取つて下に鋪いて、其上に肉をそつと置きました。そして肉の上にも欵冬の葉を沢山載せて置きました。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
身に邪心なく、真知の働く時は、思わざるに、勝ち、然らざる時には、量らざるに破れる。一心、生死を放念し、雑念を去る時、即ち、生を離れ、死を離れるの時じゃ。先刻、わしを、庇った時の働き、あの境を、よく味わってみい。わしを、庇い、且つ、月丸を、庇って、純一無類、それが、不偏不倚ふき、無一無適のこころじゃ。判るか。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
吾黨の自由不羇ふき境界きやうがいを見て心を動すことはなきか。
至上の慈愛は、たゞちに汝等の生命いのちふき入れ、かつこれをして己を愛せしむるが故に、この物たえずこれを慕ひ求むるにいたる 一四二—一四四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
庵室の後ろの納屋なやの入口から、車輪のやうな煙がふき出して、その間からクワツと焔が舌を出して居るのです。
擬宝珠ぎぼうし、姫百合、欵苳ふき、唐松草等にして
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
やっと分った。ふきみに来たおばあさんは、寒竹かんちくやぶの中に、小犬を埋めたしるしの石を見て呆然ぼうぜんとしてしまったのだった。
埿部姓のものには同書天武天皇元年六月の条に、大津皇子に従って天皇の軍に参加した埿部賦枳ふきという人があり、同十二年の条には、埿部造等に姓を賜わってむらじというとある。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)