“ふき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フキ
語句割合
42.9%
不羈12.5%
11.2%
不覊8.9%
4.9%
不軌3.6%
3.1%
附記3.1%
2.7%
款冬2.2%
噴飯0.9%
欵冬0.9%
不倚0.4%
不羇0.4%
0.4%
0.4%
欵苳0.4%
0.4%
賦枳0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浴衣ゆかたかみの白い老人ろうじんであった。その着こなしも風采ふうさい恩給おんきゅうでもとっている古い役人やくにんという風だった。ふきいずみひたしていたのだ。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
白皙はくせきかんの強そうな顔、大股にさっさと歩く身ごなしなど、いかにも我儘わがままな、不羈ふき奔放そのものといった風格が感じられる。
足軽奉公 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しずかなる夜にて有之候はゞ、この物音に人々起出おきいで参り大騒ぎにも相なるべきの処、さいわいにも風大分はげしくふきいで候折とて、誰一人心付き候者も無之。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
狷介けんかい不覊ふきなところがある。酒を飲めば、大気豪放、世の英雄をも痴児ちじのごとくに云い、一代の風雲児をも、野心家の曲者しれもののごとくそしる。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿古十郎は例の如くふきのすれ切った黒羽二重の素袷に、山のはいった茶献上の帯を尻下りに結び、掌で裸の胸をピシャピシャ叩きながら
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
し実際将門が謀反をあへてしようとして居たならば、不軌ふきはかるほどの者が、打解けて語らつたことも無い興世王や経基の処へわざ/\出掛けて
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
次が臺所だいどころで、水瓶みづがめでも手桶てをけでも金盥かなだらいでも何でも好く使込むであツて、板の間にしろかまどにしろかまにしろお飯櫃はちにしろ、都てふきつやが出てテラ/\光ツてゐた。雖然外はきたない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
余すなわちその事実にり一文を草し、碩果生せきかせいの名を以てこれを同二十五日の時事新報に掲載けいさいせり。実に先生発病はつびょうの当日なり。本文と関係かんけいあるを以てここ附記ふきす。
それから竿さおのさきに穴のあいたものへなわをとおして、助手が下からさし出すのを、上にいるふきが取りあげて、それをもってかやわらを縫いぼくにむすびつけるのが
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
空山に款冬ふきの緑が点々たるところ、ふと早春のような錯覚さえおぼえるほど、なごやかな景色であった。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
「ハッハッハッハッ」と一坐が噴飯ふきだした。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
雨はねかへ欵冬ふきの葉を
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
先刻、わしを、庇った時の働き、あの境を、よく味わってみい。わしを、庇い、且つ、月丸を、庇って、純一無類、それが、不偏不倚ふき、無一無適のこころじゃ。判るか。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そが上おん身は詩人にて、即興詩もて口を糊せんといふにあらずや。吾黨の自由不羇ふき境界きやうがいを見て心を動すことはなきか。客人試みに此境界を歌ひ給へ。
至上の慈愛は、たゞちに汝等の生命いのちふき入れ、かつこれをして己を愛せしむるが故に、この物たえずこれを慕ひ求むるにいたる 一四二—一四四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
庵室の後ろの納屋なやの入口から、車輪のやうな煙がふき出して、その間からクワツと焔が舌を出して居るのです。
さんとして馬いなゝかず、この間の花は、磧撫子かはらなでしこ蛍袋ほたるぶくろ擬宝珠ぎぼうし、姫百合、欵苳ふき、唐松草等にして、木は百中の九十まで松属まつぞくの物たり。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
ふきみに来たおばあさんは、寒竹かんちくやぶの中に、小犬を埋めたしるしの石を見て呆然ぼうぜんとしてしまったのだった。
埿部姓のものには同書天武天皇元年六月の条に、大津皇子に従って天皇の軍に参加した埿部賦枳ふきという人があり、同十二年の条には、埿部造等に姓を賜わってむらじというとある。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)