“のみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノミ
語句割合
47.1%
36.5%
而已3.3%
2.6%
2.4%
2.1%
能美1.6%
0.7%
0.5%
野見0.5%
稽首0.2%
0.2%
乃美0.2%
加之0.2%
0.2%
0.2%
如之0.2%
彫刀0.2%
0.2%
而巳0.2%
飮酒0.2%
飲酒0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
指さした縁側には、あつらへたやうに泥足、のみでこじ開けたらしい雨戸は、印籠いんろうばめが痛んで、敷居には滅茶々々に傷が付いてをります。
もっとも下男は給銀を取るが、昌平はときたまのみ眼脂めやにほどの小遣を貰うだけだから、実質的には下男に及ばなかったかもしれない。
七日七夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
当座四五日は例の老人の顔を見る毎に嘆息而已のみしていたが、それも向う境界きょうがいに移る習いとかで、日を経るままに苦にもならなく成る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「もっと、とっぷりとかるようなのみものはない?」「しとしとと、こう手でれるような音曲おんぎょくいなあ。」母は遂々とうとうさじを投げた。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
觀察のみにて看到みいたりがたきところに看到らむとするには試驗あるのみ。小説は公衆の前にて行ふ試驗の記事なり。小説は分析的批評なり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
のみ足を投出し居るに九郎兵衞是を見て嗚呼御前おまへうらやましいわしは今此湖水こすゐに身を投やうか此帶で首をくゝらうかと思ひ居たりと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
石川県の能美のみ郡なども、村々に弘法清水があって、いずれも大師の来られなかった前の頃の、水の不自由を語っております。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
附景気つけげいきで面白さうに騒がれるだけ騒ぎ、毒と知りながら、麦酒ビールに酒ぜてのぐいのみ、いまだに頭痛がしてなりませぬとの事なり、兼吉がこの話の内、半熟の卵に焼塩添へて女の持ち運びし杯盤はいばん
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
是故に営中の論の目的唯此一のみあり。万一先生一身失策の為に天下の大機会を失せバ、其罪天地ニ容るべからず。果して然らバ小弟亦薩長二藩の督責を免れず。豈徒ニ天地の間に立べけんや。
或る人予に、かゝる事を聞かせし事あり。浅草田圃のおおとり神社は野見のみ宿禰すくねまつれるより、はに作る者の同所の市の日に、今戸より土人形を売りに出してより、人形造り初めしとなん。
江戸の玩具 (新字旧仮名) / 淡島寒月(著)
かく惚苦たしなめたまひし時に、稽首のみ白さく、「は今よ以後のち、汝が命の晝夜よるひる守護人まもりびととなりて仕へまつらむ」とまをしき。
「奴や、おのが家を、天皇おほきみ御舍みあらかに似せて造れり」とのりたまひて、すなはち人を遣して、その家を燒かしめたまふ時に、その大縣主、かしこみて、稽首のみ白さく
取出してのみ暫時しばし其處に休み居ける中段々夜も更行ふけゆき四邊あたりしんとしける此時手拭てぬぐひに深くおもてをつゝみし男二人伊勢屋のかどたゝずみ内の樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のみ代錢は拂ひたれども心氣のつかれにて思はず暫時しばし居眠ゐねふ眼覺めざめて後此所を立ち出で途中にて心付懷中を見し處に大事の財布さいふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
背後うしろに立っている乃美のみ市郎兵衛の方を振り向いて、「頼む」と声を掛けた。白無垢しろむくの上から腹を三文字に切った。乃美はうなじを一刀切ったが、少し切り足りなかった。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
加之のみならず、二葉亭は一足飛びに大家班に入ったにかかわらず、文学を職業とする気があるかないか解らぬくらいノンキであって、文名の籍甚せきじんに乗じて文壇におどり出すでもなく
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
さて是より熊のはなし也、今一盃たまはるべしとてみづからつぎてしきりにのみこしより烟艸帒たばこいれをいだしてたばこのみなどするゆゑ、其つぎはいかにとたづねければ、老父らうふいはく、さてかたはらを見ればくゞるべきほどの岩窟いはあなあり
「話はだいたいのみ込んだが、十年前にさる人に、だけじゃ、どうも困る。どういう経緯いきさつで、誰にやった手紙なのか、話していただくわけにはゆきませんか」
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
如之のみならず、神近かみちか野枝のえさんとの自由恋愛を大杉自身の口から早く聞かされたが
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「やれやれ、此奴こいつもまた結構な仏様だ。どうだい、この膳立ての念入りさ加減は」とファウスト博士の魔法のような彫刀のみの跡に、思わず惑乱気味な嘆息を洩らすのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
此様こんなものをまけられたものこそ因果いんぐわで、これのみまして御前ごぜんさがると、サアうも大変たいへん当人たうにんひどい苦しみやう、其翌日そのよくじつヘロ/\になつて出てました。登
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
而巳のみならず、その附近にはローマンケーヴと昔から呼ばれている岩穴が有る。それやこれやを綜合して考えると、賊はピキシーと云う怪物ばけものでも何でも無い、おそらく古代の羅馬人であろうと鑑定した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
喜多きた食堂しよくだう飮酒のみく。……あのてつぼうにつかまつて、ぶるツとしながら繋目つなぎめいた踏越ふみこすのは、長屋ながや露地ろぢ溝板どぶいた地震ぢしんおもむきあり。あめ小留をやみにる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……釣舟にしておきましょう、その舟のね、表二階の方へ餉台ちゃぶだいを繋いで、大勢で飲酒のみながら遊んでいたんですが、景色は何とも言えないけれど、暑いでしょう。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)