これは喜多八の旅の覺書である—— 今年三月の半ばより、東京市中穩かならず、天然痘流行につき、其方此方から注意をされて、身體髮膚これを父母にうけたり敢て損ひ毀らざるを、と其の父母は扨て在さねども、……生命は惜しし、痘痕は恐し、臆病未練の孝行息 …
著者 | 泉鏡太郎 |
著者 | 泉鏡花 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「新小説 第二十三年第十号」春陽堂、1918(大正7)年10月1日 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約12分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約19分(300文字/分) |