“小留”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おや22.2%
おやみ22.2%
こや22.2%
をやみ22.2%
をや11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
せめてもの心やりにしました処、暮六ツ前から、どんよりいたしましたのが、日が暮れると、あのおぼろかぜ小留おやんだと思いますと、また少し寒さが戻りまして、変に暖くなる
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小留おやみのない雪は、軒の下ともいわず浴びせかけてふりしきれば、男の姿はありとも見えずに、風はますます吹きすさぶ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当夜は、北町の友達のその座敷に、五人ばかりの知己ちかづきが集って、袋廻しの運座があった。雪を当込あてこんだもよおしではなかったけれども、黄昏たそがれが白くなって、さて小留こやみもなく降頻ふりしきる。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たきくつがへすやうで小留をやみもなくうちながらみんな蓑笠みのかさしのいだくらゐ茅葺かやぶきつくろひをすることは扨置さておいて、おもてもあけられず、うちからうち隣同士となりどうし
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
喜多きた食堂しよくだう飮酒のみく。……あのてつぼうにつかまつて、ぶるツとしながら繋目つなぎめいた踏越ふみこすのは、長屋ながや露地ろぢ溝板どぶいた地震ぢしんおもむきあり。あめ小留をやみにる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)