小留おやみ)” の例文
小留おやみのない雪は、軒の下ともいわず浴びせかけてふりしきれば、男の姿はありとも見えずに、風はますます吹きすさぶ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
降りしきったのが小留おやみをした、春の雪だから、それほどの気色でも、れるとはやい。西空の根津一帯、藍染あいそめ川の上あたり、一筋の藍を引いた。池の水はまだ暗い。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)