“おやみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小止40.0%
小歇30.0%
小留20.0%
小休10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時節は五月雨さみだれのまだ思切おもいきり悪く昨夕ゆうべより小止おやみなく降りて、欞子れんじもとに四足踏伸ばしたるねこものうくしてたんともせず、夜更よふけて酔はされし酒に、あけ近くからぐつすり眠り
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
雨が小歇おやみになると、町の子供や旅館の男がほうき松明たいまつとを持って桜の毛虫をいている。この桜若葉を背景にして、自転車が通る。桑を積んだ馬が行く。方々の旅館で畳替たたみがえを始める。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
降りしきったのが小留おやみをした、春の雪だから、それほどの気色でも、れるとはやい。西空の根津一帯、藍染あいそめ川の上あたり、一筋の藍を引いた。池の水はまだ暗い。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
相手が何とかいうのを振向きもせずに店を出た。雨は小休おやみなく降り続けていた。昼餉ひるげの煙が重く地面の上をっていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)