“小歇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こや57.7%
おや15.4%
おやみ11.5%
こやみ11.5%
をやみ3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あずま橋下からだんだんに綾瀬の方までのぼって行ったのは夜も四ツ(午後十時)をすぎた頃で、雨もひとしきり小歇こやみになった。
半七捕物帳:32 海坊主 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
雨は小歇おやみなく降つてゐる。洋傘こうもりを持つてゐる手先は痛いやうにつめたくなつて来る。からだも何だか悪寒さむけがして来た。
赤い杭 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
滝をくつがえすようで小歇おやみもなく家に居ながらみんな簑笠みのかさしのいだくらい、茅葺かやぶきつくろいをすることはさて置いて、表の戸もあけられず、内から内、となり同士
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れるだらうから、此方こつちはいつたらからうとすゝめ、菓子くわしなどをあたへてうちに、あめ小歇こやみとなり、また正午ひるちかくなつた。
すさまじき谷川の響に紛れつつ、小歇をやみもせざる雨の音の中に、かの病憊やみつかれたるやうの柱時計は、息も絶気たゆげに半夜を告げわたる時、両箇ふたりねやともしたちまあきらかに耀かがやけるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)