“繕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つくろ82.7%
つく9.7%
なお1.8%
つくら1.3%
つくろい0.9%
つくろひ0.9%
なほ0.9%
しつ0.4%
つぐの0.4%
づくろ0.4%
ツクラ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するとお神さんが、慌てて襟元をつくろって、櫛巻髪くしまきがみを撫で上げて敬意を払ったところを見ると、多分ソレ位の金持に見えたのであろう。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
中の三四人、序に運んで来た材木切れをそこに置き、身体の埃を打ち叩き、着物をかいつくろいなどしつつ作業を仕舞ったしこなし。
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
伯林のカイゼル・ウィルヘルム街の薬屋へなおしに預けて置いたまま伯林を立ってしまったおしろいの噴霧筆エア・ブラッシュはどうしたろう。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
讀了よみをはり藤八サア是でも汝等うぬらは爭ふかと云れて九郎兵衞は今更面目なさに娘お里を引据此猥婬者めと人前つくら打擲ちやうちやく後家ごけのお深も猶惣内を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母は薄暗い行燈あんどうのかげでつづれをさしたり、網のつくろいをしたりすると、お光は学校めて後も矢張やっぱり手習読書をせっせと勉強する。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
たきくつがへすやうで小留をやみもなくうちながらみんな蓑笠みのかさしのいだくらゐ茅葺かやぶきつくろひをすることは扨置さておいて、おもてもあけられず、うちからうち隣同士となりどうし
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
池の水が浸洩しもるやうですからなほしながら少し模様を更へて見ませうと植木屋さんは言ふ。頼む。
女性と庭 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
子供らはことごとく家のうちにかかえ入れ、危うき橋はすぐしつらえ置けよ——と大声にて触れつつ走れ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ニコニコとそれを見い、見い、身のぬらめきに、手唾てつばきして、……漁師が網をつぐのうでしゅ……あの真似をして遊んでいたでしゅ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紙洗大尉は、かたわらの帽子掛けから、帽子と帯剣たいけんとを取ると、身づくろいをした。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自ラ破レ障子ヲツクラウテ、勤倹ノ教ヘヲ垂レタリト聞クソノ松下ノ禅尼ノ子孫高時、今ハ数十人ノセフヲ蓄へ、妾ニハ領地ヲ分カチ、白拍子、猿楽サルガク、田楽俳優ナド、府内二千人ヲ超ユルニイタル。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)