“なお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナオ
語句割合
34.7%
23.0%
18.4%
12.5%
3.8%
治癒0.8%
0.8%
修繕0.7%
名折0.7%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
全快0.2%
治療0.1%
快癒0.1%
一入0.1%
0.1%
修営0.1%
修復0.1%
修覆0.1%
全癒0.1%
0.1%
回復0.1%
奈尾0.1%
平癒0.1%
恢復0.1%
改書0.1%
楠緒0.1%
汝生0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
縫直0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「きのうは終日ひねもす、山をあるき、昨夜は近来になく熟睡した。そのせいか、きょうはまことに気分がよい。風邪かぜも本格的になおったとみえる」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、いまの私は、その青年と、どこが違うか。同じじゃないか。としをとっているだけに、なおさら不潔だ。いい気なもんだ。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
十歳を越えてなお夜中やちゅう一人で、かわやに行く事の出来なかったのは、その時代に育てられた人のの、敢て私ばかりと云うではあるまい。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
また、ひとかごのたちばなの実をひざにかかえ、しょんぼりと、市場の日陰にひさいでいる小娘もある。下駄げた売り、くつなおしの父子おやこも見える。
そのまちなかに、あかはたが、ながいさおのさきにひらめいています。それは、万病まんびょうなお不思議ふしぎ温泉おんせんのわきるところでありました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
... 旧態もと通りに治癒なおるって事は、ま、大体絶望らしいな」と助役はここで一寸いずまいを正して
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
三度も手術を受けて、そしてまだいつなおる見込みもつかない。私はこらえるには怺えます。けれども悲しいのはかなしい。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
窩人達は元気よく各自めいめいの仕事にいそしんでいた。旗を作る者、のぼり修繕なおす者、提灯ちょうちんを張る者、幕をこしらえる者——笑い声、話し声、唄う声が部落中から聞こえていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それを見やがってぶっそうないいがかり、どッちが白いか黒いか代官所だいかんしょへでてやるところだが、女巡礼おんなじゅんれいだいの男ふたりで相手にしたといわれるのも名折なおれだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百姓たちは、田にあって働ければ、五こくを産む手をもっておるのに、その暇をつぶして、わしの如き、無禄むろくの隠士の住居すまいなおすに集まって来てくれておる。——勿体ないことである。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お隅は顔を外向そむけて、嗚咽すすりあげました。一旦なおりかかった胸の傷口が復た破れて、烈しく出血するとはこの思いです。残酷な一生の記憶おもいでは蛇のように蘇生いきかえりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まだ両親ふたおやともあったんです。母親が大病で、暑さの取附とッつきにはもう医者が見放したので、どうかしてそれをなおしたい一心で、薬を探しに来たんですな。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここにおいてか警察部長チーフコンステーブルは万一をおもんぱかり、彼に向かってせつに集会を中止せんことを求めたけれども、元来彼ロイド・ジョージは、自らかえりみてなおからずんばかつ寛博かんぱくといえどもわれおそれざらんや
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
どうぞもう、眠らずにお療治ができないようなら、もうもうなおらんでもいい、よしてください
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
国破れて 心 なお
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『何や。……全快なおったとや』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
だから地上のほかの狂人は治療なおるとも、吾輩の精神異状だけは永遠に全快しないだろうと思う。これだけはたしかに保証出来る。云々。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
人の身体の狂いを治療なおす。科学知識の大光明が。日々に明るく輝やき渡るよ……スカラカ、チャカポコチャカポコ……
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
(わしの頭脳あたまは、まだ本当に快癒なおりきっていないのかもしれない)
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(わしの頭脳あたまはまだ快癒なおりきらないのかもしれない)
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
両親ふたおやに対しては前よりも一入なお言わぬ。何処をあてともなく茫然ぼんやりとして溜息をつく。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
じゃアいかえ孫兵衞さん、今たくの何をよこすから、旦那と一緒に自身番まで往って来るから、此方こちらいらっしゃいまし、板ががた付いて居ます、なおそうと存じて居ますが、つい大金が掛りますので
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この、金魚の死んだ不可思議ふかしぎな現象こそは、東照宮さまの御神託で、その者に修営なおしてもらいたい……という日光様のお望みなんだそうだが、インチキに使われる金魚こそ、いい災難。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
物が壊れると彼はきっと自分で修復なおした。あるいは修復そうとした。それがためにどの位な時間が要っても、またどんな労力が必要になって来ても、彼は決していとわなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
母子二人倒死のたれじにするまでも、腹の中をからにして往生するにもしろ、以前、我が家のさかつた頃、台所から這ひずつて来て、親父の指の先に転がされて働いた奴等の下職人したとはなつて、溝板修覆なおしや
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あんまり書き続けているうちに、諸君の神経衰弱が全癒なおり過ぎてはかえって有害だからこの辺で大略する。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ちょっと、それを、なおすな」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
蒼白あおじろい顔をそっと少女らしく頬笑ませて、もう自分でも回復なおらないことを感じているらしかった。私は黙って室を出た。間もなくお母さんが帰ってきた。
音楽時計 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
奈尾なおはさっきからそのことに気がついていた。
合歓木の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
平癒なおりますとも、そうしてもう百ねんきまさあ。』と、郵便局長ゆうびんきょくちょう愉快気ゆかいげう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もう一度石にくいついても恢復なおって、生樹なまきを裂いた己へ面当つらあてに、早瀬と手を引いて復讐しかえしをして見せる元気は出せんか、意地は無いか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と大藏は跡へ帰って硯箱を取出して手紙をしたゝめ、是から菊が書いた起請文を取出して、大藏とある大の字の中央まんなかへ(ぼう)を通してね、右方こちらへ木の字を加えて、大藏を林藏と改書なおして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
明治初期の婦人作家大塚楠緒なお子の詩「お百度詣」は、決して太平洋戦争の日、お百度詣りをしていた母や妻たちに示されなかった。
平和への荷役 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ひらいてある手紙で、宛名あてなは兵庫、裏には汝生なおという妹の名が書いてあった。
雨の山吹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
客の羽織の襟が折れぬのをなおしながら善吉を見返ッたのは、善吉の連初会つれじょかいで二三度一座したことのある初緑はつみどりという花魁である。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
が、暫らく歩いているうちにの痛みを感じ出した。それは僕には坐浴より外になおすことの出来ない痛みだった。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかもその弱点は中々なおらなかった。中学の時生徒監の鈴木蘭二先生という軍人出の体操教師で有名な節倹力行家がおられたが、私がいつでもゲートルをほうり出して置くので持って帰られる。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
これこのわたしの今着て居るのも去年の冬の取りつきに袷姿あわせすがたの寒げなを気の毒がられてお吉様の、縫直なおして着よと下されたのとはおまえの眼にはうつらぬか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
日本になおして、地名も人名も、日本の事に致しましただけで、ぜん以てお断りを申さんでは解りませんから、申し上げまするが、アレキサンドルを石井山いしいさんろうという侠客おとこだてにして、此の石井山三郎は