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治
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なお
ふりがな文庫
“
治
(
なお
)” の例文
「足のほうはようすをみないとわからない、たぶん一と月もすれば
治
(
なお
)
るだろうと思うが、それまでは立ち歩きをしないほうがいい」
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
に、
赤
(
あか
)
い
旗
(
はた
)
が、
長
(
なが
)
いさおの
先
(
さき
)
にひらめいています。それは、
万病
(
まんびょう
)
を
治
(
なお
)
す
不思議
(
ふしぎ
)
な
温泉
(
おんせん
)
のわき
出
(
で
)
るところでありました。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
勢
(
いきお
)
いで
天子
(
てんし
)
さまの
体
(
からだ
)
にお
病
(
やまい
)
がおこるのだ。だからあの
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
を
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
してしまわないうちは、
御病気
(
ごびょうき
)
は
治
(
なお
)
りっこないのだよ。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
たとえ
治
(
なお
)
っても、あるいは眼がつぶれたり、あるいはあばたが残って、一
生涯
(
しょうがい
)
、その人はいやな思いをしなければなりません。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
世を避けながらも猶かつ養生することを忘れずに
芋
(
いも
)
を食って一切の病気を
治
(
なお
)
したというあの「つれづれ草」の中にある坊さんのことを思い
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
おくさんの言うのには、この子を医者にみせたら、おしが
治
(
なお
)
っていつか口がきけるようになろうということだからと言った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
兎に角早く病気を
治
(
なお
)
すことだ、と考えて彼はしいて心を落着けようとした。もし馬の脊髄が結核に効果があるなら、それを注射しても構わない。
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
袈裟
(
けさ
)
がけに刀を浴びせられていますね、よくその傷が
治
(
なお
)
りましたねえ、痛みはしませんか、とこう言われて、はじめて私が驚くのでございます。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかも再び皮を引きはがされた傷口からは、皮のできる前よりはさらに
治
(
なお
)
しがたいほどの痛みをもってだくだくと血が流れ出さずにはいなかった。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
幸いにも果たして市長が
明日
(
あした
)
子供を連れてこられたら、そうですね、望外なことがあるかも知れません。非常な喜びが急に病気を
治
(
なお
)
した例もあります。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
で、
私
(
わたくし
)
どもに
向
(
むか
)
って
身上噺
(
みのうえばなし
)
をせいと
仰
(
お
)
ッしゃるのは、
言
(
い
)
わば
辛
(
かろ
)
うじて
治
(
なお
)
りかけた
心
(
こころ
)
の
古疵
(
ふるきず
)
を
再
(
ふたた
)
び
抉
(
えぐ
)
り
出
(
だ
)
すような、
随分
(
ずいぶん
)
惨
(
むご
)
たらしい
仕打
(
しうち
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(病人なら病人らしく死んじまえ。
治
(
なお
)
るもんなら治ったら
可
(
よ
)
かろう。何んだって
愚図
(
ぐず
)
ついて、
煩
(
わずら
)
っているんだ。)
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なれども、ルルがあの噴水を
治
(
なお
)
してしまうまでは待ってたもれよ。それももう長いことではない。ミミよ、お聞きやれ。あのルルの打つ
鎚
(
つち
)
の
音
(
ね
)
の勇ましいこと
ルルとミミ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
とだけん
(著)
それやこれやをいろいろと案じた末に浮んだは一年か半年ほど清吉に
此地
(
こち
)
退
(
の
)
かすること、人の噂も遠のいて我夫の機嫌も
治
(
なお
)
ったら取り成しようは幾らもあり
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「こないだ、三階から身投げした女がいるのです。あなたの病気は死ななきゃ
治
(
なお
)
らないと云われて……」
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「だめだ! まだあの高慢
狂気
(
きちがい
)
が
治
(
なお
)
らない。梅子さんこそ
可
(
い
)
い
面
(
つら
)
の皮だ、フン人を馬鹿にしておる」と薄暗い
田甫道
(
たんぼみち
)
を
辿
(
たど
)
りながら
呟
(
つぶ
)
やいたが胸の中は余り
穏
(
おだやか
)
でなかった。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
体の
病
(
やまい
)
を
癒
(
なお
)
すのが医者で、心の病を
治
(
なお
)
すのが坊主ということになっているが、その心の病のうちでもお通さんのは重態だ、武蔵のほうは、抛っておけばどうにかなろうが
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銀子も若い時分一度行ったことがあったが、妹の一人は胸の病気をその山の一と夏で
治
(
なお
)
した。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
また
治
(
なお
)
るべき
病
(
やまい
)
も財産のないために治し得ぬこともあり、借金の返せぬために首をくくる男もあって、生命が貴いか財産が貴いか判然せぬごとき場合さえすこぶるしばしばある。
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
お気の毒じゃが、この病には、薬もなければ、医者もない。自分で
治
(
なお
)
すよりほかはないのじゃ。よほどの機縁に恵まれぬかぎり、まず、あんたの顔色のはれる時はありますまいて。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
疣も現在はもうすっかり
治
(
なお
)
っているのだが、やはり縁に引かれて時々は想い出される。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その傷を
治
(
なお
)
すより仕方がない……芳一、まア喜べ!——危険は今まったく済んだ。
耳無芳一の話
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
大石橋から十里、二日の路、夜露、
悪寒
(
おかん
)
、確かに持病の
脚気
(
かっけ
)
が
昂進
(
こうしん
)
したのだ。流行腸胃熱は
治
(
なお
)
ったが、急性の脚気が襲ってきたのだ。脚気衝心の恐ろしいことを自覚してかれは戦慄した。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お医者に
治
(
なお
)
してもらうさ。治ることだってあるんだから。それはそうと、あたしと、お前さんと、一体、どっちが余計難儀をしてるだろう。お前さんは、自分で眼を
患
(
わずら
)
ってることもしらずにいる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「とにかく、人間にならなけりゃならない。そのためには、
牧師
(
ぼくし
)
さんとか、お
医者
(
いしゃ
)
さんとか、先生とか、そのほか、学問があって、こういうことの
治
(
なお
)
しかたを知っている人にきかなくちゃだめだ。」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「きさまの強情は少しも
治
(
なお
)
らないな」と摂津がやがて云った、「よし、きさまに確信があると申すなら任せてやろう」
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
建久八年(六十五歳)の時法然が少しく病気に
罹
(
かか
)
った。兼実は深くこれを歎いたが、それでも病気は間もなく
治
(
なお
)
った。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ミリガン夫人は、リーズがまだ話をしようと
努
(
つと
)
めていることを話して、医者はもうじき
治
(
なお
)
ると言っていると言った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そして、
彼女
(
かのじょ
)
はむなしく、
家
(
いえ
)
にもどってしまったのです。その
後
(
ご
)
ふたたび、
彼女
(
かのじょ
)
が、
出
(
で
)
かけるはずもなかったから、
病気
(
びょうき
)
はついに
治
(
なお
)
らずにしまいました。
世の中のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「まあ、ほんとに、あなたにはおわかりになりませんの。私は
治
(
なお
)
ったのですわ。コゼットが
明日
(
あした
)
参りますのよ。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「どうか、わたしを
京都
(
きょうと
)
へ
連
(
つ
)
れて行って
下
(
くだ
)
さい。
天子
(
てんし
)
さまの
御病気
(
ごびょうき
)
を
治
(
なお
)
して
上
(
あ
)
げとうございます。」
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は
私
(
わたくし
)
の
母
(
はは
)
と一
緒
(
しょ
)
に、
例
(
れい
)
の
海岸
(
かいがん
)
の
私
(
わたくし
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
に
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
って、それはそれは
親身
(
しんみ
)
になってよく
尽
(
つく
)
してくれ、
私
(
わたくし
)
の
病気
(
びょうき
)
が
早
(
はや
)
く
治
(
なお
)
るようにと、
氏神様
(
うじがみさま
)
へ
日参
(
にっさん
)
までしてくれるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その考えから彼は北向の部屋に親子三人
枕
(
まくら
)
を並べ、大きくなれば自然に
治
(
なお
)
る時もあるという少年時代の習慣のついた子供を側に寝かせて、なるべく
嫂
(
あによめ
)
達に迷惑を掛けまいとした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
少々
(
しょうしょう
)
無理な
願
(
ねがい
)
ですがね、身内に病人があって、とても医者の薬では
治
(
なお
)
らんに
極
(
きま
)
ったですから、この医王山でなくって
外
(
ほか
)
にない、私が
心当
(
こころあたり
)
の薬草を採りに来たんだが、何、
姉
(
ねえ
)
さんは
見懸
(
みか
)
けた
処
(
ところ
)
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「でも確かにそれで
治
(
なお
)
るものとしましたら……。」
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「病気がもう
治
(
なお
)
ったのか」
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ジョリクールの病気は
治
(
なお
)
してやらなければならないし、
部屋
(
へや
)
には火がなければならないし、薬も買わなければならないし、
宿
(
やど
)
にもはらわなければならない。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
鵺
(
ぬえ
)
が
退治
(
たいじ
)
られてしまいますと、
天子
(
てんし
)
さまのお
病
(
やまい
)
はそれなりふきとったように
治
(
なお
)
ってしまいました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そしてやがてがまんの
角
(
つの
)
を折って売薬などをのむと、ふしぎに病状の軽快することがある、これは
治
(
なお
)
る時期が来ていたので、薬の代りに糠味噌をのんでも同じことであろう。
霜柱
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あなたほどの
若
(
わか
)
さで、そんな
青
(
あお
)
い
顔色
(
かおいろ
)
をなさっていてはいけません。
早
(
はや
)
く
手術
(
しゅじゅつ
)
をお
受
(
う
)
けになって、さっぱり
病気
(
びょうき
)
を
治
(
なお
)
しておしまいなさいまし。」と、
知
(
し
)
っている
人
(
ひと
)
は、いいました。
世の中のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「一度医者には
診
(
み
)
せましたが」と義雄はそれを
遮
(
さえぎ
)
るようにして、「その医者の言うには、これは悪い病気に
罹
(
かか
)
ったものだ、余程の専門家にでも掛けなければ
治
(
なお
)
らない、それにしても、 ...
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ああ、お
可懐
(
なつかし
)
い。思うお
方
(
かた
)
の御病気はきっとそれで
治
(
なお
)
ります。」
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍
(
そば
)
で
見
(
み
)
ていた
母
(
はは
)
も、『モー一
度
(
ど
)
治
(
なお
)
って、
晴衣
(
はれぎ
)
を
着
(
き
)
せて
見
(
み
)
たい……。』と
言
(
い
)
って、
泣
(
な
)
き
伏
(
ふ
)
して
了
(
しま
)
いました。
斯
(
こ
)
んな
話
(
はなし
)
をしていると、
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
には
今
(
いま
)
でもその
場
(
ば
)
の
光景
(
ありさま
)
が、まざまざと
映
(
うつ
)
ってまいります……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それはちょっとした神経の障害であり、若い娘にはありがちな
憂鬱
(
ゆううつ
)
であり、一時の曇りであって、一日二日で
治
(
なお
)
ってしまうだろう。で、彼はただ未来のことを、いつものように静かな気持ちで考えた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「
治
(
なお
)
るかよ、この眼が」
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ジョリクールはこれできっと
治
(
なお
)
ると思った。
刺絡
(
しらく
)
をすませて、医者はいろいろと
薬剤
(
やくざい
)
にそえて注意をあたえた。わたしはもちろんとこの中にはいってはいなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
するとまもなく
天子
(
てんし
)
さまの
御病気
(
ごびょうき
)
は
薄紙
(
うすがみ
)
をへぐように、きれいに
治
(
なお
)
ってしまいました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ようようすこしずつ
治
(
なお
)
りかけてきた。でも長い重病のあとであったから、すこしでもうちの外に出るには、グラシエールの
牧場
(
ぼくじょう
)
が青くなり始めるまで待たなければならなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
“治”の意味
《名詞》
(チ)平和であること。
(チ)政治。
(出典:Wiktionary)
治
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“治”を含む語句
政治
治療
治承
新治
療治
元治
治部大輔
小治田
退治
明治
治癒
灸治
不治
治世
安治川口
全治
揉療治
統治
占治茸
湯治
...