“心当”のいろいろな読み方と例文
旧字:心當
読み方割合
こころあたり38.9%
こころあて22.2%
むねあて11.1%
こころあ11.1%
こゝろあた11.1%
こゝろあたり5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうか。そう云われれば、心当こころあたりがある。いつも漬物を切らすので、あの日には茄子と胡瓜を沢山に漬けて置けと云ったのだ。」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
それを聞いた相客は、恵慶の色紙は主人が誰にも見せない大切な秘蔵なのを知つてゐるので、別に心当こころあてにもしなかつた。
「各〻の弓を試みん。柳をへだつこと百歩。あの戦袍ひたたれの赤い心当むねあてを射たものには、すなわちあの戦袍を褒美にとらすであろう。われと思わん者は出て射よ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
社会心理学という学問は、日本ではまだ翻訳ばかりで、国民のための研究者はいつになったら出てくるものか、今はまだすこしの心当こころあてもない。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ちゝ以前いぜん持帰もちかへつた、神秘しんぴ木像もくざうあとの、心当こゝろあたりをさがところ、——にもけないまでわすれてしまつて、温泉宿をんせんやど亭主ていしゆんで、たづねたのが、つたへた双六谷すごろくだにことだつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
や、別に心当こゝろあたりも無いが、災厄わざはひと云ふものは、皆な意外の所より来るのだから」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)