心当むねあて)” の例文
旧字:心當
「各〻の弓を試みん。柳をへだつこと百歩。あの戦袍ひたたれの赤い心当むねあてを射たものには、すなわちあの戦袍を褒美にとらすであろう。われと思わん者は出て射よ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「てまえは、魏公曹操の腹心の者ですが——」と、男はひるみもなく正面を切って、さて、自分の肌に着けてきた黄金の「心当むねあて」と、曹操直筆の書簡とを取りだして
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
握り太な彫弓ちょうきゅうまんを引いて、びゅッとつるを切って放つ。その矢も見事、彼方の袍の心当むねあてを射抜いた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)