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ふりがな文庫
“
心当
(
こころあたり
)” の例文
旧字:
心當
「そうか。そう云われれば、
心当
(
こころあたり
)
がある。いつも漬物を切らすので、あの日には茄子と胡瓜を沢山に漬けて置けと云ったのだ。」
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
どこから救いの日光がさし込んだか、三人は養子の
心当
(
こころあたり
)
で指さす辺を熱心に見て廻ったが、木材と木材はきっしり喰い合っていて、一寸の隙間さえ見出せなかった。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
駿河台のお邸にては、
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りても御前様の御帰館無きより、
心当
(
こころあたり
)
を問合せ、御親類中へ使者を向くるに、いずくにも見えさせたまわず、皆目
御立寄
(
おたちより
)
これなきよし。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何者か知らんて、一向
心当
(
こころあたり
)
と謂うては無い。名は言はんて?」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それも、君だけの材能があって見れば、多少の
心当
(
こころあたり
)
がないでもない。若し
旨
(
うま
)
く行ったら、君は自ら
贏
(
か
)
ち得た報酬で宿屋の勘定をするが好い。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
しかもそのくせ、
卑怯
(
ひきょう
)
にも
片陰
(
かたかげ
)
を拾い拾い小さな
社
(
やしろ
)
の
境内
(
けいだい
)
だの、
心当
(
こころあたり
)
の、
邸
(
やしき
)
の垣根を
覗
(
のぞ
)
いたが、前年の生垣も煉瓦にかわったのが多い。——
清水谷
(
しみずだに
)
の奥まで掃除が届く。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
少々
(
しょうしょう
)
無理な
願
(
ねがい
)
ですがね、身内に病人があって、とても医者の薬では
治
(
なお
)
らんに
極
(
きま
)
ったですから、この医王山でなくって
外
(
ほか
)
にない、私が
心当
(
こころあたり
)
の薬草を採りに来たんだが、何、
姉
(
ねえ
)
さんは
見懸
(
みか
)
けた
処
(
ところ
)
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして
貴方
(
あなた
)
、お
望
(
のぞみ
)
の草をお採り遊ばすお
心当
(
こころあたり
)
はどの辺でござんすえ。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心持
心算
心細
心得
心底
心臓
心許