“患”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
わずら36.5%
うれ23.4%
わづら13.0%
うれい10.4%
わづ3.6%
わず2.6%
うれひ1.6%
うれえ1.0%
うれへ1.0%
かん1.0%
(他:11)5.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“患”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩42.9%
社会科学 > 教育 > 教育26.1%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]20.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それはこの手紙によっても察することができるようにかなり重い病気、かなり永いわずらいにかかって江戸に残されているのです。
汽車の煤煙が眼に這入って、半年も眼をわずらい、生活の不如意と、目的のない焦々いらいらしさで困ってしまいました。
文学的自叙伝 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
あなたが弓矢を善くするのを存じて居りますので、どうぞ毒矢をもってかれを射殺して、われわれのうれいを除いて下されば
玄碩の遺したむすめ鉄は重い痘瘡とうそううれえて、瘢痕はんこん満面、人の見るをいとう醜貌であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大抵安雑誌の口絵で見覚えてゐるので、誰も彼も天然痘をわづらつたやうな顔をしてゐるが、実際髯の無い事だけは確かであつた。
娘の部屋の隣は納戸で、納戸の先は暗い四疊半。其處に親類の娘といふお町が、長い癆咳らうがいわづらつて寢て居るのでした。
経過よく、膿腫のうしょううれいもなくて、すでに一月あまり過ぎし今日きょうこのごろは、なお幾分の痛みをば覚ゆれど
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「よくぞ申した。そちが自己の非を知って改めるからには、なんで玄徳もうれいをいだこう。留守の役は、そちに頼む」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「有難いことにろくな風邪も引かないよ。尤も萬一わづらつたとしても、俺は流行醫者は嫌ひだよ」
友達は蜜柑があんまり好きで膽石をわづらつたことがあつたのだ。
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
余は天井てんじょうを眺めながら、腹膜炎をわずらった廿歳はたちの昔を思い出した。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『すぐり』を書いてから二年の後、トルストイがわずらったことがあった。
編輯者 しかしもうあなた位の大家になれば、一作や二作悪いのを出しても、声名せいめいくだると云ふうれひもないでせう。
売文問答 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まつた進行しんかう停止ていしせらるゝやうなうれひはないのである。
心の人にしかざるは、身体の不具なるよりも劣るものなるに、ひとりその身体の病をうれえて心の病を患えざるは何ぞや。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
雨風のうれえのない、人目にかかるおそれのない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明かそうと思ったからである。
羅生門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
我等ゆるやかにくだりゆくべし、かくして官能まづ少しく悲しみの氣息いきに慣れなば、こののちうれへをなすことあらじ 一〇—一二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝに彼等その非情の罪業をいたむ、こゝにアレッサンドロあり、またシチーリアにうれへの年を重ねしめし猛きディオニシオあり 一〇六—一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その禄を利した以上、そのかんを救わねばならぬのだ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
——とはいえ、呂布を放置しておかんか、これまた、いよいよ勢いを強大にし、将来のかんとなるのは目に見えておる。——かず、一部の者に、許都の留守をあずけ、予は劉備を援けて、共にこの際、呂布の息の根をとめてこようと思う。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ベアトリーチェは容貌かたちを變へき、思ふに比類たぐひなき威能ちからなやみ給ひし時にも、天かく暗くなりしなるべし 三四—三六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
カピ長 (ロミオの一群に)ようこそ、方々かた/″\! 肉刺まめなやんでらん婦人ふじんは、いづれもよろこんで舞踏敵手おあひてになりませうわい。
先の家にいるとき、雨のなかを井戸へ水を汲みに行って、坂で子供をおぶったまま転んで、怪我けがで前歯を二本かいたほかは、歯をんだことのない老人としよりに、そう言って笑われた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
おなじ悪口でも、いっそ馬鹿とか白痴たわけとか云われたのならば、清吉も左ほどには感じなかったかも知れないのですが、ふだんから自分も苦にんでいる自分の弱味を真正面まともから突かれたので、その悪口が一層手ひどくわが身に堪えたのでしょう。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分の指と知りながらもって、わざわいを除こうとする。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この三年の間、実際何度か君にも書こうと思って、ペンも取り上げたが、やはりもしや君があんまり喜びすぎて、僕のこのせっかく大切の極秘主義に、かえってわざわいすることになりはしないかと思って、遂に書く決心も鈍ってしもうのであった。
右の次第をもって考うれば、人民の世界に事務なきをうれうるに足らず。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
動物は、猿、山羊、モルモット、白ねずみ、兎——特殊なものとしては、鼠癩にかかつた白ねずみが、三匹、特別の箱に這入つてゐた。
間木老人 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
「いやいや、一敵減ずれば、一敵生ず。——決して安心はならぬ。甲軍の強大があればこそ、抑えられていた越後の上杉謙信が、こんどは直接、こっちへわざわいして来ようぞ。謙信の眼の黒いうちは、どうしてまだまだ……」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
し衆をねがうものはすなわち衆のなやみを受けたとえば大樹の衆鳥れに集ればすなわち枯折のわずらい有るがごとく」また「世間に縛著ばくちゃく」せられて「譬えば老象のどろおぼれて自らずる事あたわざるが如く」であろう。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「赤いお部屋で泣いたので、わるくなつたと思ひますわ。でもきつときよくなつてよ。」
「お夕飯のとき、ほんのぽつちりしか召上りませんでしたもの。今日はあなたどこかお加減でもわるいのぢやないかと私、氣にしてをりましたわ。お顏がぽつと赤くて、お熱でもあるやうに見えますよ。」