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患
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うれい
ふりがな文庫
“
患
(
うれい
)” の例文
今の人民の世界にいて事を
企
(
くわだ
)
つるは、なお、
蝦夷地
(
えぞち
)
に行きて開拓するが如し。事の足らざるは
患
(
うれい
)
に非ず、力足らざるを
患
(
うれ
)
うべきなり。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
佐世も心にかかり候。来原、中村余り周布風を学び大人振り、後進を導くこと
能
(
あた
)
わざるが
患
(
うれい
)
なり。中谷は
自
(
おのずか
)
ら妙、山口にて一世界をなせかし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「後日、わが蜀に
患
(
うれい
)
をなす者があるとすれば、おそらく彼であろうよ。——大魏皇帝の統を
曹叡
(
そうえい
)
がうけたことなどは、心にかけるまでもないが」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがために水害の
患
(
うれい
)
を取り除いてしまったばかりでなく、深い港を
拵
(
こしら
)
えて九州、四国から来る船をことごとくアソコに
繋
(
つな
)
ぐようになったのでございます。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
冗費を節して、
恒
(
つね
)
の産を積んで、まさかの
時節
(
とき
)
に内顧の
患
(
うれい
)
のないようにするのは、そらあ当然さ。ねエ浪さん。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
真実
(
しんじつ
)
外国干渉の
患
(
うれい
)
あるを恐れてかかる
処置
(
しょち
)
に及びたりとすれば、
独
(
ひと
)
り
自
(
みず
)
から
架空
(
かくう
)
の
想像
(
そうぞう
)
を
逞
(
たくまし
)
うしてこれがために
無益
(
むえき
)
の
挙動
(
きょどう
)
を演じたるものというの外なけれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
ラは
最早
(
もはや
)
竜来る
患
(
うれい
)
なければ、安心してかの袋の中の金で巨屋を立て、余生を安楽に暮したそうだ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
世嗣
(
よつぎ
)
の生みの母を手討にしてしまった人がある、生みの母というのは殿様のお手かけであった、腹の
賤
(
いや
)
しい母を生かしておいては、他日国家の
患
(
うれい
)
がそこから起り易いとあって
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
諸王をして権を得せしむるも、
亦
(
また
)
大なりというべし。太祖の意に
謂
(
おも
)
えらく、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くなれば、
本支
(
ほんし
)
相
(
あい
)
幇
(
たす
)
けて、
朱氏
(
しゅし
)
永く
昌
(
さか
)
え、威権
下
(
しも
)
に移る無く、傾覆の
患
(
うれい
)
も生ずるに地無からんと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
出水の
患
(
うれい
)
が無い此村も、雹の
賜物
(
たまもの
)
は折々受けねばならぬ。村の天に納める
租税
(
そぜい
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
無辜のものを有罪にする
患
(
うれい
)
は決してない筈であります。
三つの痣
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
下士の
輩
(
はい
)
は
漸
(
ようや
)
く産を立てて衣食の
患
(
うれい
)
を
免
(
まぬ
)
かるる者多し。すでに衣食を得て
寸暇
(
すんか
)
あれば、上士の教育を
羨
(
うらや
)
まざるを得ず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「よくぞ申した。そちが自己の非を知って改めるからには、なんで玄徳も
患
(
うれい
)
をいだこう。留守の役は、そちに頼む」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時候も秋涼に向かえるおりから、熱は次第に下り、経過よく、
膿腫
(
のうしょう
)
の
患
(
うれい
)
もなくて、すでに一月あまり過ぎし
今日
(
きょう
)
このごろは、なお幾分の痛みをば覚ゆれど
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
『観弥勒菩薩
下生
(
げしょう
)
経』に、時気和適、四時順節、人身百八の
患
(
うれい
)
なく、貪慾瞋恚愚痴大ならず、人心均平にして皆同一意、相見て歓悦し善言相向い、言辞一類にして差別なき事
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
觥籌
(
こうちゅう
)
又何ぞ数えんといいて、快楽主義者の如く、
希直
(
きちょく
)
は俗にして、
飲
(
いん
)
の
箴
(
しん
)
に、酒の
患
(
うれい
)
たる、
謹者
(
きんしゃ
)
をして
荒
(
すさ
)
み、荘者をして狂し、貴者をして
賤
(
いや
)
しく、
存者
(
そんしゃ
)
をして
亡
(
ほろ
)
ばしむ、といい、
酒巵
(
しゅし
)
の銘には
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
多摩川遠い此村里では、水害の
患
(
うれい
)
は無いかわり、
旱魃
(
かんばつ
)
の恐れがある。大抵は都合よく
夕立
(
ゆうだち
)
が来てくれる。
雨乞
(
あまごい
)
は六年間に唯一度あった。降って欲しい時に降れば、直ぐ「おしめり正月」である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
が——
隠忍
(
いんにん
)
に隠忍をかさねて、いまやようやく、根本からその
患
(
うれい
)
を除くときが来た。いまこそと、彼はひそかに、手に
唾
(
つば
)
して、それへ取りかかったのである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
即ち新夫婦相引く者をして
益
(
ますます
)
引かしめ、新旧相衝くの
患
(
うれい
)
を避けて遠く相引かしむるの法なり。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
而
(
しか
)
も
其
(
その
)
才を
憐
(
あわれ
)
みて獄に
繋
(
つな
)
ぎ、
諷
(
ふう
)
するに
管仲
(
かんちゅう
)
・
魏徴
(
ぎちょう
)
の事を
以
(
もっ
)
てす。帝の
意
(
こころ
)
、敬を用いんとする
也
(
なり
)
。敬たゞ
涕泣
(
ていきゅう
)
して
可
(
き
)
かず。帝
猶
(
なお
)
殺すに忍びず。
道衍
(
どうえん
)
白
(
もう
)
す、
虎
(
とら
)
を養うは
患
(
うれい
)
を
遺
(
のこ
)
すのみと。帝の意
遂
(
つい
)
に決す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この方の
患
(
うれい
)
はまずないように見えるものの、結果としては、かえって、
干戈
(
かんか
)
を交えていたときよりも、彼の敵性は、陰性となり、謙信にとって、始末のわるいものとなっていた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生涯の
患
(
うれい
)
をのこすことあるゆえ、おりおりは魚類獣肉を用いたきものなり。
慶応義塾新議
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「すでにこの猛将を得、全軍の吉兆といわずしてなんぞ、蜀軍来るも、また
患
(
うれい
)
はない」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縦の帳合はその入門の路、たとい困難なるも、関所を生ずるの
患
(
うれい
)
なし。
小学教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「まだ何か、後日の
患
(
うれい
)
があるといわれておいでたか」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
果して明日の
患
(
うれい
)
なきを期すべきや。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“患”の意味
《名詞》
(カン)苦しむこと。患い。うれい。
(出典:Wiktionary)
患
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“患”を含む語句
患難
苦患
大患
憂患
肺病患者
患者
長患
疾患
患部
梅毒病患者
中風患者
熱病患者
患苦
患者等
瘋癲患者
御患
婦人患者
外患
諸苦患
恋患
...