“うれい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.2%
26.0%
15.7%
憂愁3.1%
憂患1.6%
憂慮1.6%
0.8%
患害0.8%
患難0.8%
0.8%
憂惧0.8%
憂鬱0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
オレたちがお前たちの仲間に入っておれば、お前らも後顧こうこうれいなしというわけだ。八十吉君も竹造君も彼らと一しょに飲もうじゃないか。
と『疑雨集』中の律詩りっしなぞを思い出して、わずかうれいる事もあった。かくては手ずから三味線さみせんとって、浄瑠璃じょうるりかたる興も起ろうはずはない。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
佐世も心にかかり候。来原、中村余り周布風を学び大人振り、後進を導くことあたわざるがうれいなり。中谷はおのずから妙、山口にて一世界をなせかし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
と答えるお種の顔には憂愁うれいの色が有った。それを彼女は苦笑にがわらいまぎらわそうともしていた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つねに生、老、病死の憂患うれいあり
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
そう訊いた瑠璃子の声にも、深い憂慮うれいが含まれていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
和女おまえなぞは決してそういううれいもあるまいけれども自分の心で人物の良否りょうひや事の善悪を判断し得ると思うと大きな間違いだ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
最初新しい内はよくよく気を付けて強い火の処へ置かないようにして段々に使い込まないと琺瑯の剥げるうれいがあります。西洋でも琺瑯鍋の使い方はむずかしい者と申す位です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
日本に熟兎を養う事数百年なるもかかる患害うれいを生ぜぬは土地気候等が不適なはもちろん、生存競争上その蕃殖を妨ぐるに力ある動物が多い故とおもう。
しかもいま此処ここは、もろもろ患難うれい多し
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
信仰の鍛錬すでにたれり、肉慾すでに減磨せられ、我すでに富貴に負けるうれいなきに至て神は世の宝を以て我に授けたまうなるべし、世に最も憫察すべきものは富を有してこれを使用し能わざる人なり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
甲斐かいざかいの憂惧うれいがされば、これで心をやすらかにして、はた中原ちゅうげんにこころざすことができるというもの。家康いえやすにとって、伊那丸はおそろしいがんであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「冗談じゃない、酒は憂鬱うれいはら玉箒たまははきというんだぜ、酒を飲んで胸を重くするくらいなら、重湯を食べて寝ていた方がいい」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)