“掃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
は64.8%
はら22.8%
そう3.2%
はた2.7%
はい1.4%
はき1.4%
さう0.9%
ぱ0.5%
はく0.5%
はは0.5%
はろ0.5%
ふ0.5%
ハラ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間もなく——もう雀の声が聞かれる頃、ガタン、蔵屋敷の閂(かんぬき)が鳴る、寝不足そうな仲間(ちゅうげん)が箒(ほうき)を持って掃(は)く、用人らしい男が出てゆく。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じ祝詞(のりと)の中には、また次のような語も見えます。曰く、「国中に荒振神等(あらぶるかみたち)を、神(かみ)問(と)はしに問はしたまひ神(かみ)掃(はら)ひに掃ひたまひて云々」
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
……のみならず、こんな皇室の在り方も正し、王政を延喜(えんぎ)、天暦(てんりゃく)の古制に還(かえ)して、鎌倉のごとき醜武者(しこむしゃ)の府は、これを一掃(そう)せねばならぬ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて半七が煙管(きせる)をぽんと掃(はた)くと、吸い殻の火玉は転げて松のうしろに落ちたので、その火玉を追って二度目の煙草をすい付けようとする時、草のあいだに何物をか見付けた。
半七捕物帳:52 妖狐伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
独りブックリ/\言(こき)ながら出て行ッたアだ(谷)フーム何所へ行たか、目当も無い癖に(小)何だかお前様の事を言ッたアだぜ、私(わし)が廊下を掃(はい)て居ると控所の内で谷間田は好年(いゝとし)イして煽起(おだて)エ利くッて
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
兩人(りやうにん)の裾(すそ)の所(ところ)が、床(とこ)の間(ま)横(よこ)、一間(いつけん)に三尺(さんじやく)、張(はり)だしの半戸(はんと)だな、下(した)が床張(ゆかば)り、突當(つきあた)りがガラス戸(ど)の掃(はき)だし窓(まど)で、そこが裏山(うらやま)に向(むか)つたから、丁(ちやう)どその窓(まど)へ
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
〔譯〕毀譽(きよ)得喪(とくさう)は、眞(しん)に是れ人生の雲霧(うんむ)、人をして昏迷(こんめい)せしむ。此の雲霧を一掃(さう)せば、則ち天(てん)青(あを)く日(ひ)白(しろ)し。
白(しろ)い羽(はね)の鷄(にはとり)が五六羽(ぱ)、がり/\と爪(つめ)で土(つち)を掻(か)つ掃(ぱ)いては嘴(くちばし)でそこを啄(つゝ)いて又(また)がり/\と土(つち)を掻(か)つ掃(ぱ)いては餘念(よねん)もなく夕方(ゆふがた)の飼料(ゑさ)を求(もと)めつゝ田圃(たんぼ)から林(はやし)へ還(かへ)りつゝある。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
穴市(あないち)の仕舞(しまい)を掃(はく)やむめの花 路圭
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
聖武天皇の天平(てんぴょう)十八年正月の日、白雪が積って数寸に至った。左大臣橘諸兄(たちばなのもろえ)が大納言藤原豊成(ふじわらのとよなり)及び諸王諸臣を率(い)て、太上天皇(おおきすめらみこと)(元正天皇)の御所に参候して雪を掃(はろ)うた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私も、さっさと台所を片付けたいと思い、鍋は伏せ、皿小鉢は仕舞い、物置の炭をかんかん割って出し、猫の足跡もそそくさと掃(ふ)いて、上草履(うわぞうり)を脱ぎまして、奥様の御部屋へ参りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたくしは毎年冬の寝覚(ねざめ)に、落葉を掃く同じようなこの響をきくと、やはり毎年同じように、「老愁ハ葉ノ如ク掃(ハラ)ヘドモ尽キズ蔌蔌タル声中又秋ヲ送ル。」と言った館柳湾(たちりゅうわん)の句を心頭に思浮べる。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)