“はた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハタ
語句割合
16.6%
13.9%
12.6%
10.4%
6.1%
5.6%
4.1%
3.7%
3.1%
2.0%
(他:205)21.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は大抵むずかしい書物を机の前に開けて、それを見詰めていましたから、はたで見たらさぞ勉強家のように見えたのでしょう。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
田口や松本を始め、ともに立つものはみんなむこうの方で混雑ごたごたしていたので、はたには誰も見えなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はたして! 四めん玲瓏れいろうみねひいたにかすかに、またと類なき奇石きせきであつたので
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さて、輕氣球けいきゝゆうつて、この大使命だいしめいはたさんものはたれぞといふだんになつて
二人は別に行く所もなかったので、竜岡町たつおかちょうからいけはたへ出て、上野うえのの公園の中へ入りました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
で法王は正面の右の席へ着かれますと他の二人はそのはたに立たれて、ヨンジン・リンボチェは少し下の椅子に腰を掛けられた。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ちょうど、おくめも表玄関に近い板敷きの方で織りかけていたはたを早じまいにして、その廊下つづきの方へ通って来た。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
路のかどはたを織っている女の前に立って村の若者が何かしゃべっていると、女は知らん顔でせっせとおさを運んでいる。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
吾等われら輕氣球けいきゝゆうみとめたとえ、その前甲板ぜんかんぱんしろあかとのはた
店の前に立てた、赤地あかじに白くそめ出した長いはたが、氷をふくんだような朝の風に、はたはたと寒そうに鳴っていました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
山の根がたのかしこここに背の低い松が小杜こもりを作っているばかりで、見たところはたもなく家らしいものも見えない。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
なあにねえ、お前様、桑の価は下り一方だかんない。駒屋の親父とっさまあはた土は、一度も手がつかねえほどなんだし
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
はたたふれて、かほいろ次第しだいかはり、これではかへつて足手絡あしてまと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いい加減な時分を計つて、高木氏が一寸指先を唇に当てると、蓄音機ははたと止つて、高木氏が一足前へ乗り出して来る。
が、町々辻々に、小児こどもという小児が、皆おもちゃを持って、振ったり、廻したり、くうはたいたりして飛廻った。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渋紙の袋を引き出してちりはたいて中をしらべると、画は元のまま湿しめっぽく四折よつおりに畳んであった。
子規の画 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
セントアントニウスはあの通りの道心堅固な生涯を送りながら、なほはたの人の目に見える迄性慾の煩悶に陥つてゐた。
私なぞの理想はいつも人に迷惑を懸ける許りで、一向自分のたしになった事がないが、はたから見たらさぞ苦々しい事であったろう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
秋のはじめの、空は晴れつつ、熱い雲のみ往来して、田に立つ人の影もない。稲も、はたも、夥多おびただしい洪水のあとである。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路にははんのまばらな並木やら、庚申塚こうしんづかやら、はたやら、百姓家やらが車の進むままに送り迎えた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
物事ははたで見るほど心配になるものではなく、どうするかと見ていた梯子の問題は、米友の一存で手もなく片づけてしまいました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はたからあまきびしく干渉かんせふするよりはかへつて気まかせにして置くはうが薬になりはしまいかと論じた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
旧暦六月十五日にはたを上げ、秋期彼岸にこれを下ろすに、その幡の巻き方によって風災の有無を判定することになっておる。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
だから、村の者が甘藷を出すにも、一貫目につき五厘もがよければ、二里のはたに下ろすより四里の神田へ持って行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はたまた京師の一条も幕府最初の思い過ちにて、追々糺明きゅうめいあればさまで不軌ふきを謀りたる訳にこれ無く候えば、今また少しく悔ゆ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
かの具象的観照の妙処の如きも、はたまた私を隠した叙述のさばかりの冷徹さも、詰るところ、科学的のポオズを取った鴎外の擬態でなくて何であろう。
汝等斯くして淵の律法おきてを破れるか、はた天上のさだめ新たに變りて汝等罰をうくといへどもなほわが岩に來るをうるか。 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
徳を以て、はた人を以て、柱とも石とも頼まれし小松殿、世を去り給ひしより、誰れ言ひ合はさねども、心ある者の心にかゝるは、同じく平家の行末なり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そのころ日比谷や池ノはた隅田川すみだがわにも納涼大会があり、映画や演芸の屋台などで人を集め、大川の舟遊びも盛っていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お庄は賑やかないけはたから公園のすその方へ出ると、やがて家並みのごちゃごちゃした狭い通りへ入った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一日いちにちまた一日いちにちはたらいておいいたるのをすこしもかんじない樣子やうすです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
(私、もうお母さんと一緒いっしょはたらこうと思います。勉強べんきょうしているひまはないんです。)
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
二十はたとせの我世のさちはうすかりきせめて今見る夢やすかれな
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
二十はたとせのうすきいのちのひびきありと浪華の夏の歌に泣きし君
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ふゆになると、ゆきってきて、はたもまたいえも、ゆきなかもれてしまったのです。
おかしいまちがい (新字新仮名) / 小川未明(著)
馬の家の南に荒れたはたがあって、そこにたるきの三四本しかない小舎こやがあった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
佐川へ帰ると大いに土佐の国で採集せねばいかんと思い、佐川から西南地方の幡多はた郡一円を人足を連れて巡り、かなりの日数を費して、採集して歩いた。
その手術を引き受けていたのは幡多はた生まれで幡多なまりの鮮明なおたけという女中であった。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
老人が煙管きせるをぽんとはたくのを待ち兼ねるように、私は重ねていた。
半七捕物帳:54 唐人飴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勿論、安値であったればこそ、わたしも自分の小遣い銭をはたいて出かけたのであるが、桟敷一間ひとま二円八十銭、高土間たかどま一間二円二十銭、ひら土間一間一円三十銭
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
はたみやつこあやあたえの祖先、それから酒を造ることをつているニホ、またのをススコリという者等も渡つて參りました。
またはたみやつこの祖、あやあたへの祖、またみきむことを知れる人、名は仁番にほ、またの名は須須許理すすこり等、まゐ渡り來つ。
それどこぢやねえ、盲目めくらつた自分じぶん餓鬼がきぜにせえだましてはたくんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
子供の眼鼻にちりの入らぬよう手拭てぬぐいかぶせといて座敷の中をざっとはたいたり掃いたりした。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
手々てんでに白張提灯を持ったり、紙のはたを握ったり、炬火たいまつをとったりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ひどい寄席で、薄汚れたはたが一本、潮風に吹かれて鳴っていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
二ツ三ツ頭をはたいた末、筑阿弥は彼よりも何倍もまさった力で、日吉の体を吊し上げ、わが家のほうへ駈けて行った。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちっとでも、怠けていたり、悪戯いたずらでもしていようものなら、筑阿弥の大きな手は、すぐ日吉の顔をはたいた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新吉はポンポンと煙管をはたいて、「小野さんに、それじゃあっしが済まねえがね……。」と溜息をいた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
早く運命が戸外そとからて、其を軽くはたいて呉れればいとおもつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すなはち牛を放ち馬をいこへ、愷悌がいていして華夏に歸り、はたを卷きほこをさめ、儛詠ぶえいして都邑に停まりたまひき。
これらのはたうしろかたに長く流れてわが目及ばず、またわがはかるところによれば左右のはしにあるものの相離るゝこと十歩なりき 七九—八一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
仏教の背後にその芸術的要素やシナの文化やその他種々のものがはたらいていたからこそ、我々の祖先はあのように大きく動き始めたのである。
偶像崇拝の心理 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そうして師匠の慈愛が、自分のほんとうに生きやうとする心のはたらきを一時でも痲痺しびらしてゐた事にあさましい呪ひを持つやうな時さへ來た。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
くに三輪みわさき大宅竹助おおやのたけすけと云うものがあって、海郎あまどもあまた養い、はた広物ひろもの
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
荒海の巌礁がんしょうみ、うろこ鋭く、面顰つらしかんで、はたが硬い。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここにその大神に語りて、つぶさにその兄の失せにし鉤をはたれる状の如語りたまひき。
それゆえ、この歌にこたえた、「檀越だむをちかもな言ひそ里長さとをさらが課役えつきはたらばなれなからかむ」(巻十六・三八四七)という歌の例と、万葉にただ二例あるのみである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それに、われらしきが、一念發起いちねんほつきおよんだほどお小遣こづかひはたいて、うすものつま
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
澁紙の袋を引き出して塵をはたいて中をしらべると、畫は元の儘しめつぽく四折よつをりに疊んであつた。
子規の画 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)