はた)” の例文
旧字:
……えんなる女優の心を得た池のおもは、萌黄もえぎ薄絹うすぎぬの如く波をべつゝぬぐつて、清めるばかりに見えたのに、取つて黒髪にさうとすると、ちっと離したくらゐでは、耳のはたへも寄せられぬ。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……えんなる女優の心を得た池のおもは、萌黄もえぎの薄絹のごとく波を伸べつつぬぐって、清めるばかりに見えたのに、取って黒髪に挿そうとすると、ちっと離したくらいでは、耳のはたへも寄せられぬ。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)