“辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
あたり34.1%
へん23.2%
あた12.6%
ほとり10.4%
7.7%
3.2%
ほと2.7%
ぺん0.9%
まわり0.6%
ふち0.5%
(他:25)4.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“辺”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸62.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)5.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
健三の眼を落しているあたりは、夜具の縞柄しまがらさえ判明はっきりしないぼんやりした陰で一面につつまれていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗助はそれから懐手ふところでをして、玄関だの門のあたりをよく見廻ったが、どこにも平常と異なる点は認められなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたり問答もんどうはまだいろいろありますが、ずこのへん端折はしょることにいたしましょう。
私はクリスタル・パレス(ロンドンの南部にある遊覧所)のへんまでも歩いていって、そこで一時間ばかり腰かけておりました。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
首筋のあたりで髪を切つて、そしてたゞちゞらせて垂らした人もあるが、さう云ふ人も床屋へ来て網を掛けさせて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ただあのあたりの風景にして気にかかる構成上の欠点は、図書館の近くにある豊国とよくに神社の屋根と鳥居とりいである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
お前達が自分でまことの泉のほとりまことの花を摘んでいながら、己の体を取り巻いて、己の血を吸ったに違いない。
そのこびある目のほとりやうやく花桜の色に染みて、心楽しげにやや身をゆるやかに取成したる風情ふぜい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さるからに、薄紅き蓮華の不尽の隈ぐまの澄み明りゆく立姿、いたゞきは更にもあかく、つや紅く光り出でたれ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
秀吉はうながされて駒を降りた。松並木の見通せる城下口のみちである。そこに仮の休み茶屋が設けられていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠つ浪に寄するごと、遠つ風吹き寄するごと、その声は夜空つたひて、いよいよに近く響きて、さて絶えて、また続け鳴く。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
遠つ浪に寄するごと、遠つ風吹き寄するごと、その声は夜空つたひて、いよいよ近く響きて、さて絶えて、また続け鳴く。
すると、道安の嫁のおきぬが、母屋の渡り縁のほとりで、何か大きな声を放った。つづいて、家族や召使たちの声がこもごも聞えた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、惣領の宗時に、その一つをたくし、召使たちの右往左往している廊を真っ直ぐに通って、わが室のほとりまで来てつと、
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたまのてッぺんからあし爪先つまさきまで、見上みあおろしながら、言葉ことばどもらせた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
白状するが餅というものは今まで一ぺんも口に入れた事がない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
下宿に移ってからの岸本は、子供の身のまわりの世話から言っても、女の手をわずらわしたいと思うことが多かった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼女は早くその手紙を出すことの出来なかった身のまわり種々いろいろな消息を書いた末に「早くお目に掛りとうございます」ともしてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ええ、そうして、あの池のふち亀屋かめやの出店があるでしょう。——ねえ知っていらっしゃるでしょう、小野さん」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼のふちには泣きただらしたあとの残っているのが明々地ありありと解る。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たった一人ひとりで、そんな山奥やまおく瀑壺たきつぼへりくらすことになって、さびしくはなかったかとっしゃるか……。
紙幣を出す時、そのへりが極めて僅かでも裂けていると、文句をいわれる。
廬の中は、暗かつた。炉を焚くことの少い此ヘンでは、地下ヂゲ百姓は、夜は真暗な中で、寝たり、坐つたりしてゐるのだ。でもこゝには、本尊が祀つてあつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
実質的内容においては、玉島川のヘンで会うた女が、自分の家は玉島川の川上にあるというて居つたが、その処女がワカレを惜んで領布を振つた、その姿を見てから、玉島の川上の家が、これかあれかと心あてに恋しい心地がするといふのであるが
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
太い丸太のさきを円めて二本植ゑた、校門のところへ来ると、いづれ女生徒の遺失おとしたものであらう、小さい赤櫛が一つ泥の中に落ちてゐた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「家は沢村といえば分ります。……あゝ、それから電話もあります。電話は浪花のね三四の十二でしょう。それに五つ多くなって、三四十七、三千四百十七番と覚えていれば好いんです。」と立ちながら言って疲れて、顳顬こめかみところを蒼くして帰って行った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
……えんなる女優の心を得た池のおもは、萌黄もえぎの薄絹のごとく波を伸べつつぬぐって、清めるばかりに見えたのに、取って黒髪に挿そうとすると、ちっと離したくらいでは、耳のはたへも寄せられぬ。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……えんなる女優の心を得た池のおもは、萌黄もえぎ薄絹うすぎぬの如く波をべつゝぬぐつて、清めるばかりに見えたのに、取つて黒髪にさうとすると、ちっと離したくらゐでは、耳のはたへも寄せられぬ。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
二人はお壕ばたの広い通りに出た。夜が更けてもまだ十二時前であるから彼方此方あちらこちら、人のゆききがある。月はさやかにてりて、お壕の水の上は霞んでいる。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
私の故郷くには瀬戸内海のうみばたで、ヂストマと懶惰漢なまけものと国民党員の多い所だが、今度の総選挙では少し毛色のちがつた人をといふので、よその県で余計者になつた男をかつぎ込み、それに先輩や知人の紹介状を附着くつつけてさも新人のやうに見せかけてゐる。
この雷狩は山や野原でするばかりでなく、またうみぱたでもやる。
たった一人の忰だアが、おらア別にわりい事もしねえのに、何うしてあんなやくざな餓鬼が出来たか、もう縁側のはしぱたへも寄付よせつけてはなんねえと云いやしたが、お嬢様が連れて来たアだから逢うだけ逢って遣るから
それから土手伝いで参ると、左りへ下りるダラ/\下り口があって、此処こゝに用水があり、其の用水べりにボサッカと云うものがあります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これは橋銭はしぜにを取ります、これを渡るとあとはもう楽な道で、吾妻川べりに付いて村上山むらかみやまを横に見て、市城村青山村あおやまむらに出まして
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから考えると、容器のぐるりを、胴体が何周りかした事が判るじゃないか。つまり、還流が起った証拠なんだよ。大体油時計そのものが、頗る温度に敏感であって、夜中燈火兼用以外には使えない代物なんだ、だから、当然それに、陽が当った場合を想像しなくてはならんと思うね。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「此辺なにもかはりなく候。あぶらや本介もとすけも同様也。久しく逢不申候。福山へんより長崎へ参候輩も皆々無事也。其うち保平やすへいと申は悼亡のいたみ御座候。玄間は御医者になり威焔赫々。私方養介も二年煩ひ、去年やうやく起立、豊後へ入湯道中にて落馬、やうやく生て還候。かくては志も不遂とげず、医になると申候。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
賜氷の節、また氷室ひむろの御祝儀ともいって、三月三日の桃の節句、五月五日の菖蒲しょうぶの節句、九月九日の菊の節句についで古い行事で、仁徳天皇の御代にやまべの福住ふくずみの氷室の氷を朝廷にたてまつって以来
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
笞刑は言ふ迄もなく、しりぺたを叩くので、それに用ひられるむちが新しく買ひ込まれた。
と怒鳴りつけて、厭といふ程しりぺたステツキでどやしつけたものださうだが、新太郎少将はそんなステツキを持たなかつたから城下の人達はしりぺたを叩かれる心配だけは無かつた。
書画骨董こつとうで身のまはりを飾るのも亦た其為である。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『ここすこ掃除そうじしたいものだな、ニキタ。ひどにおいだ。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
代匠記に、「本来の住所なれば、我方にしてかくは云也」と解し、古義に「おのが恋しく思ふ京師アタリには、今鳴きて来らむかと、京師を内にしていへるなり」と解したのは、作者の位置を一瞬藤原京の内に置いた気持に解したのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ハタ広物ヒロモノハタ狭物サモノ・沖の藻葉・の藻葉、尽しても尽きぬわたつみの国は、常世と言ふにふさはしい富みの国土である。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソレカヘツて、あるいてゐる道のホトリスゴさを照し出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)