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辺
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ほと
ふりがな文庫
“
辺
(
ほと
)” の例文
旧字:
邊
すると、道安の嫁のおきぬが、母屋の渡り縁の
辺
(
ほと
)
りで、何か大きな声を放った。つづいて、家族や召使たちの声がこもごも聞えた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余此蝶を見ざりしゆゑ、
近隣
(
きんりん
)
の
老婦
(
らうふ
)
若
(
わか
)
きころ渋海川の
辺
(
ほと
)
りより
嫁
(
か
)
せし人ありしゆゑ
尋
(
たづ
)
ね
問
(
と
)
ひしに、その
老婦
(
らうふ
)
の
語
(
かた
)
りしまゝをこゝに
記
(
しる
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
脱ぐ沓の重なると読めるは女の
密
(
ひそ
)
かに男の
辺
(
ほと
)
りに寄る時ははきたる沓を脱げば、自ずから重なりて脱ぎ置かるるなりというた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
流
(
なが
)
れの
辺
(
ほと
)
りに、三
本
(
ぼん
)
のぶなの
木
(
き
)
が
立
(
た
)
っていました。
冬
(
ふゆ
)
の
間
(
あいだ
)
、
枝
(
えだ
)
についた
枯
(
か
)
れ
葉
(
は
)
を
北風
(
きたかぜ
)
にさらさらと
鳴
(
な
)
らしつづけていました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今ある文献の示す限り、人がニライを拝むには必ず海の
辺
(
ほと
)
りに出で、毎年のニルヤの
大主
(
おおぬし
)
は、いつでも海を越えて渡ってくると考えられていた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
こちらは丘の
辺
(
ほと
)
りにポツンと立つた一軒家で、吹く風を遮るものも無いのに「畳が茹る」ほどの暑さです。そちらの酷しさもさぞかしと存じます。
〔婦人手紙範例文〕
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
なほ御
四五
跡をしたうて
責討
(
せめう
)
てば、
古郷
(
ふるさと
)
の
辺
(
ほと
)
りは
四六
干戈
(
かんくわ
)
みちみちて、
四七
涿鹿
(
たくろく
)
の
岐
(
ちまた
)
となりしよしを
四八
いひはやす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
美濃の都は
岐阜
(
ぎふ
)
であります。
鵜飼
(
うかい
)
で有名な
長良
(
ながら
)
川の
辺
(
ほと
)
りに在る町であります。この都の名に
因
(
ちな
)
んだものでは、誰も
岐阜提灯
(
ぎふぢょうちん
)
のことが想い浮ぶでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
実に水の
辺
(
ほと
)
りに植えたる樹のようなもので、だんだんと芽を
萌
(
ふ
)
き枝を生じてゆくものであると思います。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
さてまた洞は岩畳み、
鬼蔦
(
おにづた
)
あまた
匐
(
は
)
ひつきたれど、
辺
(
ほと
)
りに
榎
(
えのき
)
の大樹あれば、そを
目印
(
めじるし
)
に討入りたまへ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
根岸の里を物さびしい
夜闇
(
やみ
)
が
侵
(
おか
)
しはじめたころ、片里が住居を打立った三挺の駕籠があって、上野山下を飛ぶがごとく、切通しから湯島台へと上ってゆき、天神の
辺
(
ほと
)
り
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
彼の館は金木戸川の水源の
辺
(
ほと
)
りに居を占めていた。山吹峠や桑崎山の斜面に高く石垣を畳み、
櫓
(
やぐら
)
を設け
濠
(
ほり
)
を巡らせ、周囲を廻われば五里十町、正に堂々たる大城である。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこは鉄道馬車に乗って三時間もかかって行く
隅田
(
すみだ
)
川の
辺
(
ほと
)
りで一町内すっかり芸者屋で、芸者の子になるとおいしい物が食べられて、奇麗な着物は着たいほうだい、踊りを踊ったり
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
苦悩の大地の垣根の
辺
(
ほと
)
りに
傾ける殿堂
(新字旧仮名)
/
上里春生
(著)
荒磯
(
ありそ
)
の
辺
(
ほと
)
り、
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
に
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
水の
辺
(
ほと
)
りに
零
(
こぼ
)
れる
水のほとりに
(新字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
引き此処彼処見物するうち浅草観音に入りたるに思いも掛けず見世物小屋の
辺
(
ほと
)
りにて後より「お紺/\」と呼ぶものあり振向き見れば妾の母なり寧児も其傍にあり見違るほど成長したり「オヤ貴女は(母)お前は
先
(
ま
)
ア私にも云わずに居無く成て
夫切
(
それき
)
り便りが無いから何処へ
行
(
いっ
)
たかと思ったら
先
(
ま
)
ア東京へ
先
(
ま
)
ア、 ...
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
馬
(
うま
)
はついに
林
(
はやし
)
や、
野
(
の
)
や、おかを
越
(
こ
)
えて、
海
(
うみ
)
の
辺
(
ほと
)
りに
出
(
で
)
てしまいました。
日
(
ひ
)
はようやく
暮
(
く
)
れかかって、
海
(
うみ
)
のかなたは
紅
(
あか
)
く、
夕焼
(
ゆうや
)
けがしていました。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今、惣領の宗時に、その一つを
託
(
たく
)
し、召使たちの右往左往している廊を真っ直ぐに通って、わが室の
辺
(
ほと
)
りまで来て
佇
(
た
)
つと
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人は
辺
(
ほと
)
りにありてかれ
将
(
まさ
)
に死せんとする時かならず
屁
(
へ
)
をひるを
避
(
さけ
)
る。狐尾を
揺
(
うごか
)
さゞるを見て
溺死
(
おぼれしゝ
)
たるを
知
(
し
)
り、尾を
採
(
と
)
り大根を
抜
(
ぬく
)
がごとくして狐を
得
(
う
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
月と星と白い花と白い鳥と……さうして悲しみに濡れた姫と、池の
辺
(
ほと
)
りの静けさは、春の宵の紫に覆はれて、見定めもつかぬ程静かに更けて居りました。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
普通の感能を供えしものにして
誰
(
たれ
)
か己に生を与えし国土を愛せざるものあらんや、鳥獣かつその
棲家
(
すみか
)
を認むいわんや人においてをや、かつてユダヤの愛国者がバビロン河の
辺
(
ほと
)
りに坐し
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
旅金
(
ろぎん
)
も持たず地理も調べず、とく部落を抜けようとして、硫黄ヶ滝の絶壁の雪を、犯して登りはしたが、登り詰めた
辺
(
ほと
)
りに鬼王丸の住む岩石ヶ城のあることを、はたと忘れていたのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「日暮れ近くのこと、これにいる堀越殿が、
長良川
(
ながらがわ
)
の
辺
(
ほと
)
りで、一名の怪しげな武芸者ていの男を捕えて参りましたので」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道行く旅人、野に分け入る百姓
等
(
ら
)
は相
戒
(
いまし
)
めて、決して琵琶池の
辺
(
ほと
)
りに
近
(
ちかづ
)
かないという。
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
云ふまでもなく水の
辺
(
ほと
)
りは、まるで幻灯のやうに薄ら蒼く光つて居ります。水蓮の白い花が、……おや、随分大きな花が咲いた、と驚いて見ると、それは安らかに眠つてゐる白鳥でした。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
其所に近き
辺
(
ほと
)
りの
友人
(
いうじん
)
が
此頃
(
このごろ
)
の事とてさきのとし物がたりせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
父祖代々の住居である
躑躅
(
つつじ
)
ヶ
崎
(
さき
)
の
居館
(
きょかん
)
のほかに、「御新府」と称する新城を、甲州
韮崎
(
にらさき
)
の
辺
(
ほと
)
りに築いて、もうそこへ引き移っているという事実であった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この町は荒海の
辺
(
ほと
)
りにある。石油が
出
(
でる
)
ので
斯様
(
こんな
)
辺鄙
(
へんぴ
)
な処にも小さな町が出来たのだ。北の空の冴え冴えしいのは
見落
(
みおろ
)
す下には真青な海があるからのせいもある。北風の強いのも海が近いからである。
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
総帥
袁紹
(
えんしょう
)
の本営でも、旧朝廷の建章殿の
辺
(
ほと
)
りを本陣として、
内裏
(
だいり
)
の灰を掻かせたり、掘りちらされた
宗廟
(
そうびょう
)
に、早速、仮小屋にひとしい宮を建てさせたりして、日夜、戦後の始末に忙殺されていた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう秋も近い日の庭垣根の
辺
(
ほと
)
り。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“辺”の解説
right
辺(へん、英:
side
(二次元図形)、
edge
(三次元図形、ただし円柱の辺の様に線分でないものはこう呼ばれない))は、特定の“図形”の中で 1 次元の“部分”となっている、両端に頂点と呼ばれる特別の点を 0 次元の“部分”として含むような線分である。
(出典:Wikipedia)
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“辺”を含む語句
頬辺
此辺
四辺
水辺
身辺
川辺
近辺
縁辺
辺鄙
其辺
天辺
炉辺
那辺
河辺
上辺
口辺
山辺
周辺
海辺
枕辺
...