“鬼蔦”の読み方と例文
読み方割合
おにづた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鬼蔦おにづたのつるがスコッチの外套がいとうでもかぶっているようにからんでいる異人館の塀際から、煙のような人影が不意に襲って来た。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それより共に手伝ひつつ、はじの弓に鬼蔦おにづたつるをかけ、生竹なまだけく削りて矢となし、用意やがてととのひける。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
……町内随一の大分限ぶげんの身代が次第々々にぐらつきだし、今ではいたずらに大きなそこの土蔵の白壁の、煤け、汚れ、崩れ果てて、見るかげもなく鬼蔦おにづたの生い繁り
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)