“口辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:口邊
読み方割合
こうへん64.3%
くちべ14.3%
くちもと14.3%
くちべり7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人々はその時、怪猫かいびょう口辺こうへんを見た。そして余りの恐ろしさに、思わず顔をそむけないではいられなかった。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
北川は上目遣うわめづかいに社長の顔を眺めた。そして、五十親爺おやじ口辺くちべ一寸ちょっと恥しそうしわのきざまれたのを見ると、一種の満足を感じて、ニヤニヤ笑いながら答えた。
「今度は当選る、」と懸賞小説家は得意な微笑を口辺くちもとに湛へつ断乎たる語気で、「三月みつき以来このかた思想を錬上げたのだから確に当選る。之が当選らぬといふ理由は無い……」
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
川島の困惑に満ちた、遣り場のない眼が、やっと吉見の顔に止ると、吉見はそれを待っていたかのように、胡麻塩の髭にうずまった口辺くちべりを歪めて、白々と笑った。
植物人間 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)