口辺くちもと)” の例文
旧字:口邊
「今度は当選る、」と懸賞小説家は得意な微笑を口辺くちもとに湛へつ断乎たる語気で、「三月みつき以来このかた思想を錬上げたのだから確に当選る。之が当選らぬといふ理由は無い……」
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
少女の口辺くちもとには微笑が浮んでいた。西応房の猟師は猟銃を控えた。
女仙 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)