“口許”の読み方と例文
読み方割合
くちもと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、一寸会話の途切れたあとで、S子はTの顔をジロジロ見ながら、その可愛い口許くちもとに一寸えみを浮べてこんなことをいうのです。
算盤が恋を語る話 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まずこの辺までは芥川さんに話しても、白い頬を窪まし、口許くちもとに手を当ててうなずいていましょうがね、……あとが少しむずかしい。——
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひき結んだ口許くちもとにも、子供にはまれな意志のあらわれといった感じがみえ、これまでのようにたやすく話しかけることもなくなっていった。
日本婦道記:おもかげ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)