“夜闇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よやみ54.5%
やみ27.3%
やあん18.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの女は、枕元まくらもとのスタンドの灯を消し、自分のほおに並べて枕の上に置いてあった規矩男の手紙を更に夜闇よやみのなかに投げ出した。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
窓から外を覗いて見た。カッと外は赤かった。火は四辺あたりを照らしていた。今まで夜闇よやみに閉ざされていた真っ黒の大地が明るんで見えた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
女は暑さをも寒さをも夜闇よやみをも雨雪うせつをもいとわずに、衝動的に思い立って、それを買いに往くことがある。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
列車は夜闇やみの中をひた走りに走っていた。
根岸の里を物さびしい夜闇やみおかしはじめたころ、片里が住居を打立った三挺の駕籠があって、上野山下を飛ぶがごとく、切通しから湯島台へと上ってゆき、天神のほとり、見はらしの良い茶亭にはいりましたが、これが即ち片里をはじめ、露月、呉羽之介の連中でした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
生きている部分といえば、夜闇やみの中であらゆる物の見える不気味な視力と、囂々ごうごうたる車輪の響きにも拘らずあらゆる物音の聞える耳と、もう一つ、総崩れの味方を盛りかえすべく必死に号令する大将のように怒鳴りつづけている、狂おしい意思があるばかりでした。
金輪際こんりんざい夜闇やあん根生ねおふ姿なり五重の塔は立てりけるかも
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
金輪際こんりんざい夜闇やあん根生ねおふ姿なり五重の塔は立てりけるかも
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)