“夜中”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
よなか56.0%
やちゅう31.0%
やちゆう3.6%
よじゅう3.6%
よるじゅう1.2%
こゝのつ0.6%
やじゅう0.6%
やちう0.6%
よぢう0.6%
よぢゅう0.6%
(他:3)1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“夜中”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸17.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ふだんなら気味が悪くって、とても夜中よなかにひとりで歩くことなんかできないのだけれども、その晩だけはなんともなかった。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
めるのをかないで、墓原はかはら夜中よなか徘徊はいくわいするのは好心持いゝこゝろもちのものだと
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
殺される十日程前、夜中やちゅう合羽かっぱを着て、傘に雪をけながら、足駄がけで、四条から三条へ帰った事がある。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、叫ぼうとした時、内玄関にある訪鐘が、誰かこの夜中やちゅうの訪問者の手によって、静かに二つ三つ鳴り揺れて聞こえます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忠実な尾行巡査は、どんなどしや降りの夜中やちゆうにも、ふくろのやうにじつと眼を光らせて闇のなかに立つてゐた。
此頃はもう四年前から引き続いての飢饉ききんで、やれ盗人ぬすびと、やれ行倒ゆきだふれと、夜中やちゆうも用事がえない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜のあまり、大きい書物にけながら、夜中よじゅう刑場に飛んでいたと云う。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夫婦は夜中よじゅう灯火あかりけておく習慣がついているので、寝る時はいつでもしんを細目にして洋灯ランプをここへ上げた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕たちはもうお別れしなくちや……。平凡で常識な昼日中がやつて来ます。僕たちが折角せっかく夜中よるじゅうかかつて摘みあつめた抒情の匂ひも高踏の花も散らされて仕舞しまひます。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「それや言えないさ。絶対秘密だからな、警察から堅く口止めされているんだ。それから小父さん、今夜はひとつ夜中よるじゅう起きていてもらいたいんだがなア、犯人が掴まると直ぐ警察から呼出しが来ると思うから——」
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「成程、さう聞けばわけのないことだ、夜中こゝのつ前に歸つて來るといふことにして、出かけてみようか」
「此處からほんの一里半足らず、敵を討つても夜中こゝのつまでには歸つて來られます」
謙作はの女と島田の女でじぶんを寝室にれて往くのを知りながら睡ったふりをしていた。夜の明け方になって一夜中やじゅう睡らずにいた謙作の手は、女の左の腕に往った。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
殺される十日ほど前、夜中やちう合羽かつぱて、かさに雪をけながら、足駄あしだがけで、四条から三条へ帰つた事がある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それでも夜中よぢう、わたくしは怖の嬉しいをののきが体に通ふのを待つて居るのでございます、おそろしさに髪が逆立つのを待つてゐるのでございます。
バルタザアル (新字旧仮名) / アナトール・フランス(著)
それゆゑ、わたしにはお介意かまひなう、乳母うばはおそば夜中よぢゅう使つかくだされませ。
私の知ったものに、夜中よる職人と喧嘩けんかをして、相手の頭へ下駄げたで傷を負わせたのがありました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その夜中よるぢうに、私は三つの長い間をおいてたゞ三つの物音——ミシ/\といふ跫音と瞬間的に繼續するいがむやうな犬のやうな騷音と太い人間の呻き聲を聞いたばかりであつた。
自分はいへへ這入つて寝床に就てからも夜中よるぢゆう遠くの方で鳴いては止み、止んでは又鳴く小犬の声をば、これも夜中絶えては続く雨滴あまだれの音の中に聞いた……
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)