夜中やちゆう)” の例文
第二 毎日まいにち食餌しよくじ三度さんどかぎり、分量ぶんりやうさだし。夜中やちゆう飮食いんしよくせざるをもつともよしとす。たゞし食後しよくご少時間しばらく休息きうそく運動うんどうはじむべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
物の具に身をかためて夜中やちゆうの參入は、察するところ、北條の密意をうけて予を不意撃にする巧みであらうが……。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それから家老中泉撰司なかいづみせんしもつて、奉行所詰ぶぎやうしよづめのもの一同に、夜中やちゆういへども、格別に用心するやうにと云ふたつしがあつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
忠実な尾行巡査は、どんなどしや降りの夜中やちゆうにも、ふくろのやうにじつと眼を光らせて闇のなかに立つてゐた。
夜中やちゆうかく怒りの声きこへては、下女などが目を醒まし誤つて夫の帰りの遅きをば、私がとやかく言ひ争ふなど思はれましては、実に不面目極まる事と思ひましたが
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「體よく夜中やちゆうに追ひ出されたも同樣だ。」かう考へて、渠は重い足を運ぶ。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
此頃はもう四年前から引き続いての飢饉ききんで、やれ盗人ぬすびと、やれ行倒ゆきだふれと、夜中やちゆうも用事がえない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)