“雖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いえど41.2%
いへど32.3%
いへども12.6%
いえども4.6%
いへ3.1%
いえ3.1%
イエド1.2%
ども0.9%
イヘド0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何人といえども、少くも既に主義となって形成せられた現在の文芸の主義に対して、根本的に其の主義の善悪を言うことは間違っている。
若き姿の文芸 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大略なりといへども、予が連日連夜の苦悶は、卿等必ずや善く了解せん。予は本多子爵を殺さざらんが為には、予自身を殺さざる可らず。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
緑雨りよくうは巧に現社界の魔毒を写出しやしゆつせり。世々良伯せゝらはくは少しく不自然の傾きを示すといへども、今日の社界をる事甚だ遠しとは言ふ可らず。
しかりといえども、本校の恩人大隈公は余を許してその末に加わらしめ、校長・議員・幹事・講師諸君もまたはなはだ余を擯斥ひんせきせざるものの如し。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
よろこばるゝといへどもおや因果いんぐわむく片輪かたわむすめ見世物みせものの如くよろこばるゝのいひにあらねば、決して/\心配しんぱいすべきにあらす。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
「五貫目玉を、五十丁の先まで射出うちだして、的の黒星を打ち抜く火薬は、日本広しといえども、作り手はたった一人しか無い、それは——稲富——」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
レ、仏日没ストイエドモ、余輝ヨキ未ダ隠レズ、法水ホウスイ乾クト雖モ、遺潤イジュンナオ存セリ。吾等、コレニヨリテ毒酔ドクスイヲサマシ、之ニヨリテ覚芽カクガキザス。アニサイワイニアラズヤ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寝床しんしやうわれを呑み、睡眠われを無何有郷むかうきやうに抱き去らんとす。然れどもわれは生命いのちある霊景と相契和しつゝあるなり。枕頭の燈火、が為に広室ひろまを守るぞ。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
諸卒シヨソツ相揃ハズトイヘドモ、九日ニ姫路ヲ立チ、昼夜ノ境モナク、人馬ノ息ヲモ休メズ、尼ヶ崎ニ至ル。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)