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雖
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いえ
ふりがな文庫
“
雖
(
いえ
)” の例文
「五貫目玉を、五十丁の先まで
射出
(
うちだ
)
して、的の黒星を打ち抜く火薬は、日本広しと
雖
(
いえ
)
ども、作り手はたった一人しか無い、それは——稲富——」
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸広しと
雖
(
いえ
)
ども、市に売る者なし、家に織る者なし。学者書生の如きもその行く所を知らず、大都会中
復
(
ま
)
た一所の学校を見ず、一名の学士に逢わず。
故社員の一言今尚精神
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この冀望たる、余が年来の志望にして、
毎
(
つね
)
に用意せし所なりと
雖
(
いえ
)
ども、その事の大にして
且
(
か
)
つ
難
(
かた
)
きや、未だこれを全うするの歩を始むるを得ず、
荏苒
(
じんぜん
)
今日に至れり。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
而
(
しか
)
して其由来する所を
繹
(
たずぬ
)
れば、多くは自ら招くものなれど、事
茲
(
ここ
)
に至りては自ら其非を
覚
(
さと
)
ると
雖
(
いえ
)
ども、其非を改むる力なく、或は自暴自棄となりて
益
(
ますます
)
悪事を為すあり
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
これによってこれを観れば杜若をショウガ科のハナミョウガに
充
(
あ
)
てた貝原益軒の意見は、それは
中
(
あた
)
らずと
雖
(
いえ
)
ども遠からざる説ではあれどしかし益軒の卓見が窺い知られる。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
諸君は今日の形勢を見て
如何
(
いかが
)
の観を
為
(
な
)
すや、東軍西軍
相
(
あい
)
戦うならんと
雖
(
いえ
)
ども、
畢竟
(
ひっきょう
)
日本国内の戦争にして
唯
(
ただ
)
是
(
こ
)
れ内乱なるぞ、我輩は文を事としてその戦争に関するなしと雖ども
故社員の一言今尚精神
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「何を言われるのです。本気でそんな事を
仰
(
おっ
)
しゃるなら、園田氏と
雖
(
いえ
)
ども許しませんぞ」
女記者の役割
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吾人は未だこれが花を見ずと
雖
(
いえ
)
ども、その状
蓋
(
けだ
)
し必ずホウライチクの如くなるべし。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それ、一滴の雨水も
聚
(
あつ
)
まれば大洋を成し、一粒の土砂も合すれば地球を為す。余が力、微々なりと
雖
(
いえ
)
ども、熱心してこれを久しきに用うれば、又
或
(
あるい
)
は積て世に利益する所あらん乎(謹聴、喝采)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
金座銀座の
頭
(
かしら
)
は、今日の日本銀行総裁のような非常に見識があったもので、勘定奉行と
雖
(
いえ
)
ども、滅多に指を差すわけに行かず、
若
(
も
)
し調べた上で、不正の貯蓄が見当らないとなると
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
切らせてはならぬ。幾之助さえ助かれば仔細は無い、重ねて申してはならぬぞ、
唯
(
ただ
)
、膳部係の者によく申聞けて、余人の
立入
(
たちい
)
るのを許してはならぬ。女子供と
雖
(
いえ
)
ども油断は禁物だぞ
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「如何なる悪魔
化性
(
けしょう
)
の者と
雖
(
いえ
)
ども、私の
祷
(
いの
)
りに退散しないという事は無い」
新奇談クラブ:03 第三夜 お化け若衆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの金は細民の
膏血
(
こうけつ
)
を絞った因縁のある金で、一銭と
雖
(
いえ
)
ども無駄には出来ないのです。せめて元金の何割でも何分でも、出来るだけ多く、気の毒な預金者達に返してやらなければならなかったのです。
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雖
漢検1級
部首:⾫
17画
“雖”を含む語句
雖然
猿雖
煩悩障眼雖不見
田乎婆雖作
荒野二者雖有
輅斉雖入地獄受苦
雖不知
雖千万人吾往矣
雖生於戎羯
雖称
雖老
雖辺土未清余妖尚梗而
雖近而不見