“難”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
がた28.9%
かた21.9%
にく20.6%
なん7.3%
むずか3.2%
むづ2.2%
むず2.0%
むつ1.6%
むつか1.6%
むづか1.4%
(他:52)9.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“難”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸35.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
自分には何物にも代えがたく思われるけさの出来事があったあとでも、ああ平気でいられるそののんきさはどうしたものだろう。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
するとそこのうちの人たちは、なるほどそれはがたいが、やするといってもさしあたりおかねがない。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
——以って、末森急援を果して、万死に一生を得、金沢表へ帰った当時の、利家のかれにたいする怒り方は想像するにかたくない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しこうしてその智力は権衡けんこうもってはかるべきものに非ざれば、その増減を察すること、はなはだかたし。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「電車のなかでは顔が見にくいが往来からだとかすれちがうときだとかは、かなり長い間見ていられるものだね」と云いました。
橡の花 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
これをぶち砕くためには、信長のようなヨーロッパの思想の根源である耶蘇やそ教の信者でなければ、出来にくいにちがいない。
比叡 (新字新仮名) / 横光利一(著)
すましてたにつて、あま不思議ふしぎおもうたから、其日そのひなんなくみなといて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、鳥居とりいをくぐって、およそな見当けんとうのところをしきりにさがしはじめたが、さあこののほうにも一なんがある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「外せば、外したまま懸けるを忘れ、懸ければ外すことをつい忘れ。なかなかその心機を転じることが、われらにはむずかしゅうござりまする」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「小野田さんと二人で、ここでついた得意でも持って出て、早晩独立ひとりだちになるつもりで居るんだろうけれど、あの腕じゃまずむずかしいね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それが、少しむづかしい問題であると、藤野さんは手を擧げながら、若くは手を擧げずに、屹度後ろを向いて私の方を見る。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
生命や感覺があるやうになかば考へながら、私がこの小さな玩具を、どんな馬鹿げた眞實で、溺愛できあいしてゐたかを、今思ひ出すことはむづかしい。
「ホホホホ、おむずかりもほどになさいませ。いま一のいとをしめて、私調子を合わせたばかりのところでございますわ」
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
最前さいぜん用いたむずかしい言葉を使うと不体裁の感を抽出して、裸体画は見るべきものであると云う事に帰着します。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むつかしい仕事をひきうけて、それを成るべく疲れないで仕遂げようとする前の晩は、西枕で寝るのが一番いいとしてあります。
居合はす実業家達は、このむつかしい漢語ことばを聞くと、また感心したやうに一斉に首をつた。
だが、実をいふと、そのお嬢さんは女学校で習つた物以外には、その後余りむつかしい書物ほんは読んでゐないらしかつた。
「忙しいといへば、宅の老人なども貧乏ひまなしで、とてもお望みにふ事はむつかしからうと思ひますよ。」
あいちやんはたちまちそれがじつむづかしい競技ゲームだとふことをおもさだめました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
健は待つてましたと言はぬ許りに急にむづかしい顏をして、霎時しばし、昵と校長の揉手をしてゐるその手を見てゐた。そして言つた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「こうは申しながら、此方こちら自身もまだ、容易にそこの会得えとくはなりかねておる。ただ伊勢守として、信念いたしておるところは、無刀、その二字が極意です」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
墓石ぼせきは戒名も読めかねる程苔蒸して、黙然として何も語らぬけれど、今きたってまのあたりに之に対すれば、何となく生きた人とかおを合せたような感がある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「どうもがとう、お蔭で僕の方は夕刊にまにあった、これは少しだが」
頭と足 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
……たとえ如何ようなお咎めをうけるとも、関羽には忍びがとうて
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氣府論や氣穴論に見ゆる氣の義の如きは、今の語を以つて的解を下すになやむ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「飯を食う」という実際問題にいつももだなやんでいた。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
つくづく岸本は自分の現状を打破することのむずかしいのを思った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それにつけてもつくづく創作のむずかしいことを知る。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私には詳しい事は判りねますけれども、若し天一坊を公方様の御胤と認める時は、必ず天一坊は相当の高い位につかれるに相違ございませんのです。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
火の風にれて家から家に移つて行くいきほひ、人のそれを防ぎねて折々発する絶望の叫喚さけび、自分はあの刹邪せつなこそ確かに自然の姿に接したと思つた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
あるいははなはだしくこの国を蔑視べっししたる外国人の説に従えば、「とても日本の独立は危し」と言いて、これをかたんずる者あり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
要するに苦悩なるが故にり除かんと欲し、甘き苦悩なるが故に割愛をかたんずるのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
敷き詰めた小砂利の一とつ/\に兩抉りやうぐりの下駄が挾まるのでみのるは歩きくて堪らなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
し貴君の方から云いくければこちらから言葉を尽して掛合ってもよろしい、というようなわけで、到頭我輩も松岡君の意気に動かされて、では小生からも一つ福日へ申訳をして見ようということになった
生前身後の事 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と問うては見たが、あらかじめ、その意味を解するにかとうはないのであった。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いにしえは東にかとうして西に易し。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
塵埃ほこりたかる時分にゃあ掘出しのある半可通はんかつうが、時代のついてるところが有りがてえなんてえんで買って行くか知れねえ、ハハハ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なお此歌の処に、「宇治河は淀瀬よどせ無からし網代人あじろびと舟呼ばふ声をちこち聞ゆ」(巻七・一一三五)、「千早人ちはやびと宇治川浪を清みかもたびく人の立ちがてにする」(同・一一三九)等の歌もある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかし肉漿にくしょうや膿血は拭ひ得てもその欲情のくるしみのしんは残つてゐる。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
家庭の苦労にくるしんでいる人に独身者の慰めはあまり力になりません。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
人がわけのない事を(眠っていても出来る)と言うが、その船頭は全くそれなのだ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それとも御在おいでですか。宿屋に居るのも不自由で、面白くもないぢやありませんか。来年あたりは一つ別荘でも建てませう。何のわけは無い事です。地面を広く取つてその中に風流な田舎家ゐなかやを造るです。食物などは東京から取寄せて、それでなくては実は保養には成らん。家が出来てから寛緩ゆつくり遊びに来るです」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
婆「はい、一里ちっとんべいも有りやんしよ、これからは下りにはなりやんすが、道がえれいでねえ、まア此処こけえお掛けなせい、お困りでござりやしょう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾人の期望にして成らずんば、手に三尺の利剣あり、一揮いつきあにかたからんずる所ならむや。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
——いつかおぼろな月が、多宝塔の水煙のあたりにさし昇っていた。行きずりの人でも人恋しい夜頃ではあるし、権之助は、去りてな心地になって、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は敢無あへなくもこの時よりお俊の為に頼みがたなき味方となれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
段々の御親切有りがとうは御座りまするがわたくし身の上話しは申し上ませぬ、いいや申さぬではござりませぬが申されぬつらさを察し下され
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
京都大学の新村しんむら教授は日本画家の作物さくぶつけなして、画家ゑかきはどうしても本を読まなければ駄目だと言つたさうだ。
しかも因縁ばかり永く続いて人に信心のやや薄れた場合に、尋常一様の手段ではもと奉仕した神と別れることがむつかしかったということは、しばしば巫術ふじゅつの家について言い伝えられた話であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「大変むづかしく成りましたのね。さうですね、それは那箇どつちかがわるい事も有りませう。又女の性分にも由りますけれど、一概に女と云つたつて、一つはとしに在るので御座いますね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「それは解つてゐますけれど、貴方の言れるのはかうでせう。段々お話の有つたやうな訳であるから、とにかくその心情は察しても可からう、それを察してゐるのが善く解るやうな挨拶あいさつを為てくれと云ふのぢやありませんか。実際それは余程むづかしい、別にどうも外に言ひ様も無いですわ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
初め天皇、わざはひに逢ひて、逃げましし時に、その御かれひりし猪甘ゐかひ老人おきなぎたまひき。