“むつかし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムツカシ
語句割合
六ヶ敷53.8%
困難15.4%
六箇敷7.7%
六角敷7.7%
7.7%
難渋7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主翁は兎も角せがれや親戚の者共とも相談の上追って御返事すると云うた。「六ヶ敷むつかしいな」彼は斯く思いつゝ帰途に就いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その長い五年間には、お殿様にもご機嫌よく、家来共の言葉を快くお聞きなさる時もござりましょうに。そういう場合にお取りなししたら、何の困難むつかし障害さわりもなく、帰参がかなうに相違ござりませぬ。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしいくらこんなことを曰うても、俗人には何もわからぬ、只悲しいときには悲しい、おかしいときにはおかしい。「畢竟如何」などと六箇敷むつかしいことは云わぬがよい。
後継者は単にお寺の留守居をすると云うことだけでも、一寸六箇敷むつかしいものであるが、中興の跡を受け、又その上に事業を進めて行かんと云うには、中々の努力が必要である。
私は真直に坐り、そして馬も真直にしていることが、非常に六角敷むつかしいことを知った。
しかも因縁ばかり永く続いて人に信心のやや薄れた場合に、尋常一様の手段ではもと奉仕した神と別れることがむつかしかったということは、しばしば巫術ふじゅつの家について言い伝えられた話であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
もし我が父の知ることもやと例の密室に至りてこのよしを述べけるに、そは難渋むつかしきことにあらず、軟耎やわらかにしてこまかきものを蛇に近づけてそのさわぐを雄と知り、静かなるを雌と知るべしと教へければ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)