“叫喚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうかん66.3%
さけび15.7%
けうくわん6.0%
わめ3.6%
あっ1.2%
うごめ1.2%
わめき1.2%
うめき1.2%
きゃっ1.2%
きようかん1.2%
さけびごえ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは自分を励ました声と、許褚きょちょは彼のそばを去るや否、馬をとばして、そこへ馳けつけ、叫喚きょうかん一声、血漿けっしょうけむる中へ躍り入った。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下に一の處あり、苛責のために憂きにあらねどたゞ暗く、そこにきこゆる悲しみの聲は歎息ためいきにして叫喚さけびにあらず 二八—三〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
暗夜やみよから、かぜさつ吹通ふきとほす。……初嵐はつあらし……可懷なつかしあきこゑも、いまはとほはるか隅田川すみだがはわた數萬すまんれい叫喚けうくわんである。……蝋燭らふそくがじり/\とまた滅入めいる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かの良きメテルロを奪はれし時のタルペーアも(この後これがために瘠す)その叫喚わめきあらがへることなほこれに若かざりしなるべし 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この人若いに似合にあわ沈着おちついたちゆえ気をしずめて、見詰めおりしが眼元めもと口元くちもと勿論もちろん、頭のくしから衣類までが同様ひとつゆえ、始めて怪物かいぶつなりと思い、叫喚あっと云って立上たちあが胖響ものおと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
神との前にあらはすを患ひ叫喚うごめく聲高し。 64
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
高圧かうあつ電気でんき叫喚わめきおともなく
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日本兵のなすに足らざるを言って、にじのごとき気焔きえんを吐いた。その室に、今、垂死の兵士の叫喚うめきが響き渡る。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
席亭せきていの主人が便所へ出掛けて行く、中の役者が戸をあけて出る機会とたん、その女の顔を見るが否や、席亭せきていの主人は叫喚きゃっと云って後ろへ転倒ひっくらかえてめえまだ迷っているか堪忍してくれとおがみたおされ。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
風の暴頻あれしき響動どよみに紛れて、寝耳にこれを聞着ききつくる者も無かりければ、誰一人いでさわがざる間に、火は烈々めらめら下屋げやきて、くりやの燃立つ底より一声叫喚きようかんせるはたれ、狂女は嘻々ききとして高く笑ひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
周囲まわりの、叫喚さけびごえ怒号どなりごえ剣戟けんげきの響きを嘲笑うかのように、この、多量に人間の血を浴びた長方形の物像もののかたちは、木立ちと木立ちとの間に手を拡げ、弛んだ裾で足を隠し、静かに立っている。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)