“きょうかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叫喚61.1%
兇漢13.3%
経巻7.8%
叫喊5.6%
凶漢1.1%
兇悍1.1%
峡澗1.1%
強悍1.1%
強諫1.1%
拱貫1.1%
梟漢1.1%
郷貫1.1%
郷関1.1%
驕悍1.1%
驚癇1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その混乱も、今度のは歓呼や笑いの爆発ではありません。恐怖に引き裂かれたように、世にも恐ろしい叫喚きょうかんの大混乱です。
死の舞踏 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
親のに至りて家道かどうにわかおとろえ、婦人は当地の慣習とて、ある紳士の外妾となりしに、その紳士は太く短こう世を渡らんと心掛くる強盗の兇漢きょうかんなりしかば
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
そこここに散乱したお文櫃ふみびつの中から、白蛇のようにうねり出ている経巻きょうかんたぐいも見えます。それもやがて吹き巻く風にちぎられて、行方も知らずねずみ色の中空へ立ち昇って参ります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
ここかしこに射立てられて叫喊きょうかんする味方の騒乱を感じるのみで、少しも統一がとれなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
イルコック、ウエップらは、凶漢きょうかんのあとを追うて発砲した。一、二発は手ごたえがあったが、すがたは緑雲りょくうんたなびく林のなかにきえてしまった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
イバンスの脳裏のうりには、なにかひらめくものがあった、凶漢きょうかん三人は路を迂回うかいして、ニュージーランド川のほとりから、左門洞を攻撃こうげきしているのではあるまいか?
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
実はアリゾナ生れの兇悍きょうかん冷血なる無頼漢で、その強烈なる意志と胆力とによって、不断に部下を畏伏させ、戦慄させておるものであります。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
湯滝の下から中禅寺の菖蒲ヶ浜に近い竜頭ノ滝までの間は峡澗きょうかんとなり、平らの流れとなり幾曲りして変化に富み、ただのハイキングコースとしても賞遊するに足りるが
戦場ヶ原の渓谷 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
強悍きょうかんなる土民 ロシア政府は北方シベリアに鉄道の通じて居るのを利用して、チベット内地に兵隊を送ると仮定しても、その鉄道の通じて居る所からラサ府までは少なくも五、六ヵ月の日子を要する。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
重臣は、人倫の道にもとる所業として忠直卿を強諫きょうかんした。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ところが、そのボネーベ式の拱貫きょうかんが低く垂れ、暗く圧し迫るような建物が、たちまち破瓜期の脆弱ぜいじゃくな神経をむしばんでいったのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
天下の民みな覇政はせいたくに沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる幾多いくたの猛将梟漢きょうかんの子孫が、柳営りゅうえい一顰いっぴん一笑いっしょう殺活さっかつせられつつある際に、彼の烱眼けいがんは、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この白人は、果して英国人ではない、本人は、しかと郷貫きょうかんを名乗らないけれども、フランス人ではないかと駒井が推定をしたこと。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「わが郷関きょうかんいずれの処ぞこれなる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
翰はつとに唐宋諸家の中でも殊に王荊公おうけいこうの文をそらんじていたが、性質驕悍きょうかんにして校則を守らず、漢文の外他の学課は悉く棄ててかえりみないので、試業の度ごとに落第をした結果
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
殿様には若年の折から驚癇きょうかんの持病があられるので、大方はそのことと合点し、匆々、関の御本陣へ落着するなり、耳盥に水を汲ませて頭熱ずねつの引下げにかかったところ
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)