“きょうかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叫喚60.5%
兇漢13.6%
経巻8.6%
叫喊6.2%
兇悍1.2%
凶漢1.2%
強悍1.2%
強諫1.2%
拱貫1.2%
梟漢1.2%
(他:3)3.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悲鳴とも叫喚きょうかんともつかない市民の声にまじって、低い、だが押しつけるようなエネルギーのある爆音が、耳に入った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
人間どもの叫喚きょうかんは刻一刻に熱した、二つの犬はすきを見あって一合二合三合、四合目にがっきと組んで立ちあがった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
その紳士は太く短こう世を渡らんと心掛くる強盗の兇漢きょうかんなりしかば、その外妾となれるこの婦人も定めてこの情を知りつらんとの嫌疑を受けつ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
むかしギリシアの哲学者ソクラテスのもとに、ある兇漢きょうかんが来て、さんざん悪口を言って帰った。かたわらに聞いておった門弟が、哲学者に向かって、
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
正成の所持の品、持仏じぶつ経巻きょうかんなども、一つの坑へ入れた。さらには、一トすじの菊水の旗もそえておく。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこここに散乱したお文櫃ふみびつの中から、白蛇のようにうねり出ている経巻きょうかんたぐいも見えます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
惨霧濛々さんむもうもうと、度を失い、ここかしこに射立てられて叫喊きょうかんする味方の騒乱を感じるのみで
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たてに鳴るはがねの音は叫喊きょうかんの声に和して、傷ついた人は底知れぬ海に落ちて行った。
春寒 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この小生の死後の敵コンドル事、ウルスター・ゴンクールは前にも申述べました通り、風采の堂々たる好紳士で、表面では口癖のように正義人道を高潮しておりますが、実はアリゾナ生れの兇悍きょうかん冷血なる無頼漢で、その強烈なる意志と胆力とによって、不断に部下を畏伏させ、戦慄させておるものであります。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
イルコック、ウエップらは、凶漢きょうかんのあとを追うて発砲した。一、二発は手ごたえがあったが、すがたは緑雲りょくうんたなびく林のなかにきえてしまった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ドノバンが大木の下にきてみると、地上に銃をいだいた一個の人間が、息たえだえにたおれている、ドノバンのはなった弾はあやまたず、凶漢きょうかんの胸板をつらぬいている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
強悍きょうかんなる土民 ロシア政府は北方シベリアに鉄道の通じて居るのを利用して、チベット内地に兵隊を送ると仮定しても、その鉄道の通じて居る所からラサ府までは少なくも五、六ヵ月の日子を要する。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
夫からの数度の嘆願にかかわらず、女房は返されなかった。重臣は、人倫の道にもとる所業として忠直卿を強諫きょうかんした。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
これは今世紀の初め、ゲッチンゲンに起った出来事なんだが、オット・ブレーメルという、いかにもウエストファリア人らしい鋭感的センシブルな少年が、同地にあるドミニク僧団の附属学園に入学したのだ。ところが、そのボネーベ式の拱貫きょうかんが低く垂れ、暗く圧し迫るような建物が、たちまち破瓜期の脆弱ぜいじゃくな神経をむしばんでいったのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
天下の民みな覇政はせいたくに沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる幾多いくたの猛将梟漢きょうかんの子孫が、柳営りゅうえい一顰いっぴん一笑いっしょう殺活さっかつせられつつある際に、彼の烱眼けいがんは、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この白人は、果して英国人ではない、本人は、しかと郷貫きょうかんを名乗らないけれども、フランス人ではないかと駒井が推定をしたこと。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「わが郷関きょうかんいずれの処ぞこれなる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
われわれが漢文の教科書として『文章軌範』を読んでいた頃、翰はつとに唐宋諸家の中でも殊に王荊公おうけいこうの文をそらんじていたが、性質驕悍きょうかんにして校則を守らず、漢文の外他の学課は悉く棄ててかえりみないので、試業の度ごとに落第をした結果、遂に学校でも持てあまして卒業証書を授与した。
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)