“さけび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.8%
叫喚35.1%
叫声5.4%
絶叫5.4%
叫聲2.7%
号叫2.7%
悲叫2.7%
2.7%
2.7%
喧囂2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
神々しいさけびだ。このつわものの声は、きっときっと千代田の森まで、そして、戦死者の魂にまで、つよくつよくひびいて行くにちがいない。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
火の風にれて家から家に移つて行くいきほひ、人のそれを防ぎねて折々発する絶望の叫喚さけび、自分はあの刹邪せつなこそ確かに自然の姿に接したと思つた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
とふしぎな叫声さけびをあげたが、駆けよった先頭の連中も、一眼見るより、これはッ! とばかりに立ちすくんだのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ししむらするど絶叫さけび
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かたをはると、水兵等すいへいら驚嘆きやうたんかほ見合みあはせ、勇烈ゆうれつなる虎髯大尉こぜんたいゐは、よろこおどろきの叫聲さけびをもつて倚子ゐすよりちて、松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさおもてると
肋骨材等ろくこつざいとう諸般しよはん構造こうざうながめ、また千變萬化せんぺんばんくわなる百種ひやくしゆ機關きくわん説明せつめいいたときは、ほとんどこれ人間にんげんわざかとうたがはるゝばかりで、吾知われしらず驚嘆きやうたん叫聲さけびはつすることきんなかつた。
ゆえに地に向って、血をおおうことなくいつまでもこれを地にとどめてその血の号叫さけびをして永久に終熄しゅうそくすること無からしめんことを求めたのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ここにおいて彼は訴うるに処なくして、ついに大地に向って訴うるに至った。これ十八節である。「地よわが血をおおうなかれ、わが号叫さけびやすむ処を得ざれ」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
それと共にその悲叫さけびは、最も高く絞り上げられたと思ううちに、急に咽喉でも締められたのか、窒息するように止まってしまった。
彼がこう云う途端に、女のきぬを裂くような悲叫さけび! 恐怖のために狂乱してしまった咽喉から絞り出た、血も吐くような女の悲叫さけびが、私たちの前方の籔のかげから聞こえて来た。
たゞ魂の中に己が清きを感ずる者ありてちまたは昇らんとして進む時、この地震ひ、かのごときさけび次ぐ 五八—六〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
し付けられ、しづみきツた反動はんどうで、恰で鳥の柔毛にこげが風に飛ぶやうに氣が浮々うき/\する。さけびしたくなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ものの五町とも距たらぬのだが、齷齪あくせくと糧を争ふ十万の市民の、我を忘れた血声の喧囂さけびさへ、浪の響に消されてか、敢て此処までは伝はツて来ぬ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)