“きょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キョウ
語句割合
今日49.4%
13.1%
6.6%
6.6%
4.1%
2.7%
2.5%
1.8%
1.8%
1.1%
1.1%
1.0%
0.8%
0.7%
0.7%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.1%
0.1%
京都0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京にいる平家一族の耳に入るのは、今日きょうはどこの源氏が蜂起した、昨日きのうは誰それが源氏に味方したというような知らせばかりである。
わけても最近の『文芸倶楽部ぶんげいクラブ』(大正四年十一月号)に出でし江見水蔭えみすいいんが『水さび』と題せし一篇の如き我身には取分けてきょう深し。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
寺の僧侶が毎朝まいちょう早起そうききょうしょうし粗衣粗食して寒暑の苦しみをもはばからざれば、その事は直ちに世の利害に関係せざるも、本人の精神は
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
当夜の客には、尾張宗春きょう、酒井日向守、松平和泉守いずみのかみ、松平左衛門佐さえもんのすけ、御親類は能勢因幡守、榊原七郎右衛門、同大膳などがいた。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
自ら信ずるにもかかわらず、幽寂ゆうじゃくきょうに於て突然婦人に会えば、一種うべからざる陰惨の鬼気を感じて、えざるものあるは何ぞや。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
牛骨などをきょうするのであったから、その頃から吒祇尼の狐ということが人の思想にあったのではないかと思われるが、これは真の想像である。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
人がみずから働く昔からの運搬法のなかでは、ただこの背を使うものだけが遠方の輸送にきょうせられ、したがってまた職業になっていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そのほかの人形は——きょう伏見ふしみ奈良なら博多はかた伊勢いせ秋田あきた山形やまがたなど、どなたも御存知のものばかりで、例の今戸焼いまどやきもたくさんあります。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ナブ・アヘ・エリバは、ある書物きょうの老人を知っている。その老人は、博学なナブ・アヘ・エリバよりも更に博学である。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それは犬死いぬじににきまっていますが見す見す部下が弱ってゆくのを眺めていることは、どんなにか苦しいことでしょう。戦いの運はもうきょうのうちの大凶だいきょうです。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こう思った私は、三月二十一日の午後、筑後丸の舷梯に登る時にも、雨風に浪立った港内を見ながら、再びわが長野草風画伯の海にきょうなる事を気の毒に思った。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかりしかして子弟の沈溺するを見、手をきょうして救わずんば、なんぞ父母兄弟たるにあらん、なんぞ民をするにあらん、またなんぞ不仁不慈のそしりを免れんや。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
予他邦に遊学すること年有りて、今文政十二己丑きちゅうの秋きょうに帰る時に、慨然として心にいたむ事有りて、一夜これを
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
ところが、こんど、キリストきょうをしんずるアメリカが、日本にっぽんくにをひらかせて、自由じゆうにぼうえきをやろうといってきたのです。
旗本奴はたもとやっこではない。といって、町奴まちやっこでは勿論ない。が、いわばちまたきょうである。町の男伊達おとこだてである。喧嘩渡世という看板をあげているとおり、喧嘩なら、何でも買うのだ。何でも買う。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
きょうの地で暴民に囲まれた時昂然こうぜんとして孔子の言った「天のいまだ斯文しぶんほろぼさざるや匡人きょうひとそれわれをいかんせんや」が、今は子路にも実に良くわかって来た。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
独逸ドイツ人のきょうは少しも露西亜ロシア人の強に優れたものはない。「アングロ・サクソン」に優れたものはない。羅甸ラテンを代表する仏蘭西フランス人は、身体からだは小さいか知らぬが機敏で力が強い。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
で、兄の諸葛瑾しょかつきんの次男、きょうをもらって養子としていた。きんは呉の重臣なので当然、その主孫権のゆるしを得たうえで蜀の弟へ送ったものであろう。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きょうにして敬あらばもって勇をおそれしむべく、かんにして正しからばもって強を懐くべく、温にして断ならばもって姦をおさうべし」と。子路再拝して謝し、欣然きんぜんとして任におもむいた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
と言ってことわったが、まだほかと結婚の話はしなかった。そのうちに五六年たって、崑もだんだん大きくなったので、きょうという家の女と結納をとりかわした。すると神から姜にお告げがあった。
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのとききょう越吉元帥えつきつげんすいは、手に鉄槌てっついをひっさげ、腰に宝鵰ほうちょうの弓をかけ、悍馬かんばをとばして陣頭にあらわれ、羗の射撃隊は弓をならべて黒鵰くろたかの矢を宙もくらくなるほど射つづけてくる。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
畑は舞台の橋がかり裏の茶の畝と梅と柿とハタンきょうの間に挟まった数十坪であった。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
そもそも幕末の時に当りて上方かみがたの辺に出没しゅつぼつしたるいわゆる勤王有志家きんのうゆうしかの挙動を見れば、家をくものあり人をころすものあり、或は足利あしかが三代の木像もくぞうの首をりこれをきょうするなど
その人々の中には輿に乗る者もあれば、きょうに乗る者もあり、また馬やろばに乗る者もあり、舟で往く者もあった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
博士はくしのへやのしょだなには、ぎっしりと本がつまっている。自然科学しぜんかがく薬理学やくりがくの本がおもで、まどぎわのつくえには、けんびきょう、スライド、培養ばいようえき、くすりのびんなどが、いちめんにならべてあった。
王将、金銀、けいきょう、飛車、角、九ツの、数はかかる境にもちがいはなかった。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
名づけてきゅうせいしょうけいきょうかいの八部をいい、生門、景門、開門から入るときは吉なれど、傷、休、驚の三門を知らずして入るときは、かならず傷害をこうむり、杜門、死門を侵すときは
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淫蕩いんとうな女体が、きこめられた春情香の枕をはずして、歓喜の極に、一かん、死息を怪しましめ、一きょう凝脂ぎょうしを汗としてうるおす
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
などというのは特有な日本的閨房語けいぼうごで、極まるとき、一きょうまた一きょう、叫ぶというのがあちらの男女の感受性らしい。「阿呀ああせい身子已是酥麻了みはしびれわたる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが邦でも昔は兎を八きょうと見た物か、従来兎を鳥類と見做みなし、獣肉を忌む神にも供えまた家内で食うも忌まず、一疋二疋と数えず一羽二羽と呼んだ由
『埤雅』に咀嚼するものは九きょうにして胎生するに独り兎は雌雄とも八竅にして吐生すと見え、『博物志』には〈兎月を望んで孕み、口中より子を吐く、故にこれをという、兎は吐なり〉と出づ。
墨縄すみの引きよう規尺かねの取りよう余さずらさず記せしもあり、中には我のせしならで家に秘めたる先祖の遺品かたみ、外へは出せぬ絵図もあり、京都きょうやら奈良の堂塔を写しとりたるものもあり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
帝には、なお、複雑な憂悶ゆうもんがあったのである。何后のほかに、王美人という寵姫があって、その腹にも皇子のきょうが生れた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家の内でばかりきょうを誇っている婦人のごときものであると揶揄やゆしているものとしか考えられない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕は大きくうなずいて、そんなことは平気ですと博士に合図したが、内心ではきょう々としていた。これはなにかよほど意外なものが、この室内にあるらしい。いったいなにであろう。
宇宙女囚第一号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きょうたりふつたり、煙波糢糊もこ、水光天に接するばかり、何も無くして水ばかりであった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なんとなれば吾人が心事はきょうとして白日のごとく、早晩必ず天下に表白するの時節あるを信ずればなり。ただ吾人はこれを恐る。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
支那でも『論衡』に鼠一きょうわたれば飯てて食われず、古アングロ・サキソン時代に英国で犬や鼠の食い残しを知って食ったら神頌を百遍
しかし舟は曳舟には限らぬので、『和名鈔わみょうしょう』には釈名しゃくめいの「艇小而深者曰舼ていしょうにしてふかきものをきょうという」とあるきょうの字をたかせに当ててある。
高瀬舟縁起 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下民を苦しめそうろう諸役人をみな誅伐ちゅうばついたし、ひき続いてきょうに長じ居候市中金持の町人どもを誅戮ちゅうりくに及び申すべく、とか。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)